『日本は世界4位の海洋大国』を読んで

2010年11月09日

 『日本は世界4位の海洋大国』は、東海大学海洋学部教授の山田吉彦さんが、日本の海洋資源について解説してくれる本です。

 さまざまな経済的権益をもつ「排他的経済水域」と領海を足した面積において、日本の海は世界第六位の広さを誇っています。

 日本海溝など深い部分があるために、海水量、すなわち海水の体積でみると、世界第四位になります。

 日本の海はただ広いだけではなく、我が国の天然ガス消費量の約94年分に相当する「メタンハイドレード」や、レアメタルを採取できる可能性のある「海底熱水鉱床」、「コバルト・リッチ・クラスト」など豊かな資源が眠っているそうです。

 最近、領土問題が勃発した尖閣諸島周辺海域には、日本の調査では1000億バレル超、中国の調査によると、700億から1600億バレルの石油が埋蔵されている可能性が高いとされています。
 1000億バレルといいますと、世界第二位の石油埋蔵国イランの全油田埋蔵量の合計にほぼ等しく、約700兆円分に相当するそうです。
 
 いずれの資源も、まだ採掘できる段階にはなっておりません。

 鉱物資源やエネルギーのことだけに言及しても、日本の海にはこれだけの可能性があるのです。日本の技術力を結集して、これらの資源採掘を採算ベースにのせてほしいと思います。

 この本では、この他に水産資源や、領土問題についても言及されています。竹島奪還の方法や北方領土の返還論など、少々きわどい提言も書かれています。

 国際問題を語るには、自国のことをもっと知るべきです。この本を読んで、海洋大国日本の恵まれた環境に自信をもっていただきたいと思います。

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 参考文献:『日本は世界4位の海洋大国』 山田吉彦 (講談社+α文庫)
 

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