『心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」』は、精神科医の名越康文さんが、この生きずらい現代、重い気持ち、暗い気持ちを切り替えて、前向きに生きるにはどうすればいいのか、10のヒントを教えてくれる本です。
名越さんは、ストレスから逃れるためには、集中力を高めることが必要だとおっしゃっています。
「今、ここ」の状態を冷静に見つめられる集中力が身につけば、自分の心をかなりのところでセルフコントロールできるようになるそうです。
いま取り組んでいることに集中することができないで、頭の中で、悩んでいること、困っていることを考えてしまうと、何もかもが中途半端になってしまいますね。頭の中のすべてが悩みで覆われてしまって、何をしても楽しい気分になれません。
幸福の純粋性を本当に味わうためには、「今、ここ」で起きた幸福感を、そのまま時と共に流していかなきゃいけないんでしょうね。そういう意味では、「幸福は絶対に過ぎ去るもの」なんですよ。
それを覚悟しておかないと、一度つかんだ幸福に固執するあまり、「あぁ、あの時は楽しかったのに・・・・・・」というマイナスの感情に変化してしまうのです。
名越康文『心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」』より引用
この文章は全くその通りだなあと思いました。
私の周りでも、その瞬間をワーッと楽しめる方は本当に幸せそうです。しばらく後には、もうケロッとしています。
昨日よりも、明日よりも、この瞬間を大切に生きていく・・・仏教の教えにも通ずる考え方で、幸せへの第一歩ですね・・・
ただし、・・・この考え方を濫用しますと、「今の幸せに集中すればいいんだ!」と、なんでもアリアリになってしまいますから、お気を付けくださいまし。

参考文献:『心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」』 名越康文 (角川SSC新書)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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