よしんば身に病がおこった場合であろうと、運命にままならない状態が生じた場合であろうとも、その心だけは、病や不運の虜にさせないことです。わかるかい?
もっとはっきり言えば、「たとえ身に病あれど心まで病ませない。たとえ運命に非なるものあれど心まで悩ませない」ということですよ。病になっているのは肉体であって、あなた方の心は病になってやしないんですよ。
中村天風著『君に成功を贈る』より引用
体調を悪くしたり、病気になってしまうと、なにもかもすべてが悪くなってしまうような気がして、なかなか気持ちをあげていくことができませんね。
私は大人になってからは大きな病気をすることもなく、健康でとてもありがたいですが、子供のころは、小児喘息と診断され、学校を休むこともありました。
家でひとり寝ている布団の中で、あるいは病院で点滴を打ってもらいながら、僕は一生ずっとこんな感じなのかな~と不安だったことを思い出しました。
天風先生のおっしゃるように、心をしっかりもって、常に積極的に思考するということは、なかなか簡単にできることではないと思います。
病で死を目前にしながら、日々悪くなっていくその身体の変化を淡々と受け止めて、最期まで自分の生き方を貫いた人を、私は見たことがあります。
もしできるなら、そう生きたほうが、幸せな人生になりそうです。
天風先生の本はいつもそばにおいて、調子が悪くなったときには、もう一度読み返したいと思います。

参考文献:『君に成功を贈る』 中村天風述 (日本経営合理化協会出版局)
参考CD:『積極性と人生』 中村天風 (天風会)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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