働く人が減っている

2010年08月27日

 小売販売の不振は、昨今の大きな話題ですが、いつ頃から始まったことなのでしょうか。

 経済産業省の商業統計の小売販売額によると、燃料小売業の販売額を除けば、百貨店、スーパー、通販などの販売額は1996年度をピークに、12年連続で減少しています。
 
 国内の書籍・雑誌の合計売上は1996年をピークに、販売部数は1997年をピークに減り続けています。

 国内の酒類販売量は2002年度から落ち込み続けていますし、ビール類だけなら1997年から減っています。

 日本人一日一人当たりの蛋白質や脂肪の摂取量は1995から1997年度あたりをピークに落ち始めていますし、日本人一人当たりの水道使用量も1997年がピークだそうです。

 1996年から2008年まで日本の実質GDPは十数%も伸びましたが、その間、国内の小売りやいろいろなサービスの使用量は確実に減少していたのです。

 なぜでしょうか?

 実はこの時期に、生産年齢人口(15歳から64歳人口)が減少していたからなのです。いわゆる現役世代とよばれる、最もお金を稼ぎ、最も消費する人たちは減り続けていたのです。

 最近、ようやく総人口が減少し始めたようなことが言われていますが、経済にとっては、総人口よりも生産年齢人口の方がよほど大きな影響力があったわけです。

 以上の話は、藻谷浩介さんの『デフレの正体』に詳しく説明されています。
 
 友人たちで開いている経営の勉強会「頂道塾」では、講師の中澤昭彦先生がもう数年前から、この問題を指摘されておりました。
 http://choudoujuku.jp/

 景気の話になると、よくなった、悪くなった、と待っていれば循環でまわって来るようなことを言いますが、これからは小さな波はあっても、大きな波が来ることはないのです。
  
 もはや景気循環や景気変動に期待することをあきらめる覚悟が必要になってきていると思います。
 
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 参考文献:
 『デフレの正体』 藻谷浩介 (角川oneテーマ21)
 

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