『葬式は、要らない』を読んで

2010年08月16日

 『葬式は、要らない』は、宗教学者の島田裕巳さんが、現代の葬式事情に切り込み、葬式無用論を展開する本である。

 いま、直葬(じきそう)といって、故人が亡くなった後、いったん自宅に遺体を安置し、近親者だけで通夜を行い、その後、遺体を直接火葬場に運び、やはり近親者だけでお見送りするという形の、簡単な葬式の方法が増えているそうだ。東京では20%が直葬だという。

 かつて、家族が亡くなり、私が喪主になったときには、故人を供養するために、何かやり残しがあってはならないと思って、一生懸命だった。
 簡単に済ませようとは考えておらず、昔ながらの普通のお葬式にした。贅沢な葬式ではなかったが、まあまあお金もかかってしまった。
 短い時間の中で、あっという間に終わってしまったが、周りの方々のお力添えを頂いて、なんとか無事にお葬式をあげることができた。

 お葬式に満足という言葉もおかしいのかもしれないが、心の中に引っかかるものがないという意味では満足な葬式だった。

 そういう経験から考えると、葬式は要らない、といわれると、それでいいのだろうか・・・なぜだろう、と思ってしまう。

 この本を読むと、なぜお葬式は高くなってしまうのか、なぜ葬式は要らないというのか、その論理がよく分かる。

 結婚式でも、15年くらい前までは仲人がいたものだが、いま仲人を立てる人はほとんどいない。10年も経てば慣習は変わってしまうものだ。

 これからお葬式のやり方は、大きく変わっていくかもしれない。

 見送る側はどのように見送りたいのか、喪主の方はどんな想いで送りたいのか、また生きているうちに考えられるなら、自分はどのように送られたいのか、どういうお葬式にしてほしいのか、そこを大切にする葬式ができればいいだろうと思う。
 
 議論のネタにぜひご参考になさってください。
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 参考文献:『葬式は、要らない』 島田裕巳 (幻冬舎新書)
 

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