曲巷(きょくかう)に日覆(ひおひ)かさなる暑さかな 青々
『百人一句』によると、この句は子規門の松瀬青々の句です。
この句の情景は、大阪の場末のようです。曲がりくねった街並みに重なる日覆は、暑さ気分を余計に増してしまいます。
真夏の午後の商店街で、八百屋さんや洋服屋さんの軒先にある日除けは、太陽の光を一直線に受けて、オレンジ色にギラギラと輝きます。
そこを通ろうとすると・・・想像するだけで暑くなってしまいますね。
大きな木が一本植えられていれば、その木陰はとても涼しそうに思えますのにね・・・・

参考文献:『百人一句』 高橋睦郎 (中公新書)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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