『宇宙が味方する経営』を読んで

2010年07月19日

 伊藤忠彦さんは、住友銀行(現・三井住友銀行)で常務取締役まで務め、その後、1994年に関西銀行(現・関西アーバン銀行)に社長として異動され、莫大な不良債権で破綻寸前だった同行を見事に再建されました。

 『宇宙が味方する経営』は、伊藤さんが自らの経営哲学を語った本です。

 この中で明らかにされていますが、伊藤さんは毎週日曜日は必ず礼拝に行かれるという敬虔なキリスト教徒で、全編にわたり、キリスト教、聖書の教えが貫かれています。

 この本は2006年の発行で、「関西アーバン銀行頭取」の肩書きで書かれています。

 一般的に考えると、上場している銀行の頭取が、こんなに宗教色をはっきりさせた本を書いてしまって大丈夫なの!?と心配になってしまいます。

 世の中にはキリスト教を好きな人ばかりではないと思いますのに、こういう極端な本をよく書かれたなあと思います。このような本を書ける経営者はあまりいないでしょう。

 宗教の話が嫌いな方には、とんでもない本ということになるのでしょうが、私には伊藤さんが強い宗教心のもとで、高い倫理観をもって経営をされていた、その姿勢がよく伝わり、むしろ好感をもちました。(私はキリスト教徒ではありませんが・・・)

 社長一人ひとりの考え方はまったく違っていますから、いろいろな価値観があってしかるべきです。でも、宗教観をもとに経営をしているということは、なかなか明らかにできるものではありません。伊藤さんのキリスト教に対する強い信念と、社会に対しての勇気を感じました。


 伊藤さんは、守護霊が変わると、ツキも変わってくるといいます。レベルの高い守護霊を受け入れ、ツキを呼ぼうとするなら、その人自身にも高い精神性が求められるといいます。具体的には、次の四つのファクターです。

 1.謙虚であること(humble)
 2.正直であること(honest)
 3.善意に物事を解釈すること(goodwill)
 4.社会にとって役に立つこと(useful)

 これらが備わってくると「宇宙の進化の気流」に乗ることができるそうです。

 経営の本というより、宗教観をもとにした自己啓発の本として読めば、違和感はないでしょう。
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 参考文献:『宇宙が味方する経営』 伊藤忠彦 (講談社インターナショナル)
 

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