昨日のブログで最後にふれました本のご紹介です。
景気が良いかのか悪いのかを判断する場合、一般的にGDPの動きを指標としています。年次や四半期で、何%成長したとか、何%落ちたとかというのは、GDPの話をしているのです。
GDP(国内総生産)を、簡単にまとめてしまうと、次の式で表されます。
GDP=個人消費+民間投資+政府支出+純輸出
この式を見て明らかなことは、GDPの中には唯一操作可能なものとして、政府支出がが入っているということです。
個人消費や民間投資、純輸出をコントロールすることは難しいですが、公共投資やエコ減税、子供手当など、政府支出だけは政府の意図によっていくらでも操作できるのです。
GDP成長率が上がっているから景気がよいのだ・・・という話をする場合、実は政府支出だけが伸びて、個人消費や民間投資、純輸出は停滞もしくは減少している場合があるということです。
それでも、三橋貴明さんは、政府支出をするべき、といいます。
『いつまでも経済がわからない日本人』を書かれた三橋さんは、掲示板サイト「2ちゃんねる」の経済予測の書き込みが当たったことから有名になった経済評論家です。(中小企業診断士でもあられるので、主張されている内容はともかくとしても、同じ資格をもつ者としては少し親近感がわきます。)
三橋さんは、日本経済の問題点は、民間の資金需要がないことにあるとし、供給に対して需要が少ない、いわゆるデフレギャップを埋める政策をとらねばならないと主張されています。
GDPの公式を見て頂ければ分かりますように、インフラ整備など公共事業(公的固定資本形成)を行い、政府支出を増やせば、確実にGDPは成長します。
さて、ここで、公共投資をするのはよいけれども、昨日ご紹介しました辛坊治郎さんの『日本経済の真実』で大問題となっていました、日本の借入金過多、財政破綻危機の問題はどう解釈すればよいのか?という疑問が出てきます。
そのことについては、長くなりますので、また明日検討しましょう。

参考文献:『いつまでも経済がわからない日本人』 三橋貴明 (徳間書店)
(三橋さんは2010年7月参院選の比例区の候補者として立候補されているそうですが、私はどの政党を支持するものでもございません。)
参考ブログ:『日本にとっての輸出の大切さ』
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e404770.html
Hitoshi Yonezu at 10:00
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