傘も持たないで自分だけはぬれないような虫のいいことを考えているならば、やがてはどこかでつまずく。つまずいてもかまわないというのなら何もいうことはないけれど、人はともかく、つまずいたその原因を、他人に押し付けて自分も他人も不愉快になる場合が多いから、やはり虫のいいことは、なるべく考えないほうがいい。
松下幸之助『道をひらく』より引用
人さまの景気のいい話を聞いていると、なんだか自分も簡単にできるような気持ちになってしまうことがあります。
商売がうまくいきますよ~という、社長が喜びそうなEメールやダイレクトメールも毎日のように来て、どんな話なのだろう?と中をのぞいてみることもあります。
しかし、松下さんのおっしゃるように、世の中にそんなに虫のいい話はないのです。
人の言われるままに動いて、その結果、うまくいかなかったら、動くと決断したのは自分だったはずなのに、きっと人のせいにするでしょう。
自分だけ努力も苦労も省いて、簡単に成功するということはないのです。人のやっていることが楽そうに見えても、実は相当な積み重ねの上に、いまがあるはずです。
虫のいいことを考えない。
楽な道を選びそうになったら、思い出したいことです。

参考文献:『道をひらく』 松下幸之助 (PHP研究所)
Hitoshi Yonezu at 10:00
| 松下幸之助