樹々の緑が深くなってまいりました。みなさまいかがお過ごしでございましょうか。日頃は大変お世話になっております。誠にありがとうございます。
5月中旬に、ロシアのハバロフスクに視察旅行に行ってまいりました。
(ロシア正教会の教会です。街で二番目に大きな教会です。)
ハバロフスクはロシアの極東地域に属し、北緯48度、北海道よりもさらに北方、サハリンと同緯度に位置します。
緯度が高いのでこの時期は夜10時ころまで明るく、時間を有効に使えそうです。日本もサマータイムを導入すればいいのに、と思いました。
(下の地図で、サハリンと北海道の西側の大陸部に盆地で平野になっているところがありますが、その中心付近がハバロフスクです。)
日本よりも一カ月くらい春の訪れが遅いと聞いていましたが、実際には信州と同じくらいの気候でしたし、日本と違ってカラッとしているので、天気のいい日はとても気持ちがよかったです。
人口は約60万人ですから、日本でいえば鹿児島市や船橋市と同程度の規模ですが、極東ロシアの行政機能の中心地です。
(この写真は街で一番大きな教会です。)
シベリア出兵(ロシア革命に対する連合国の干渉戦争)により、1918年から1920年まで、日本軍がこの地を占領していました。
地元の方に伺いましたところ、いま、一般的な労働者の月給は約1万ルーブル(いまのレートは1ルーブル=3.1円ですので、おおよそ31,000円)とのことでした。おもな産業は機械工業、金属工業、木材業です。
ものの価格について、分かりやすいようにルーブルに3をかけて、日本円で申し上げますと、スーパーで買った2リットルペットボトル入りミネラルウォーターは72円、屋台で飲んだ瓶入りのビール(350cc)は210円でした。
バスの料金は39円から45円、タクシーは距離によって交渉次第ですが、600円から900円でした。
レストランで食べるロシア料理のランチは300円、ディナーはドリンクも含めて一人当たり2,000円から3,000円ほどでした。外国人向けのホテルは、新しくも広くもないホテルでしたが一泊11,000円ほどしました。
ロシア料理は、ボルシチやキエフ風カツレツ、ビーフストロガノフなど、同行者の方々には賛否両論でしたが、私にはおいしかったです。
(中央のレンガ色の建物が街で一番古い建造物だそうです。街には普通のバス、トロリーバス、路面電車が縦横に走っています。)
変わったものもあります。屋台で売っているクバスというロシアの伝統的な微アルコール飲料は、ホッピーのような飲みものです。人気があるようで多くの皆さんが立ち飲みをされていました。グラス一杯で30円でした。
日本料理店は高級な店とされ、そもそも価格設定が高いのですが、試しに味噌ラーメンを食べてみると、その価格は、なんと1,200円もしました。出てきたものは、日本のラーメンとは違う姿をしていました。味噌スープの中にゆでた乾麵のうどんがはいり、ローストした肉や山菜がのせられていました。これはこれで興味深い食べ物でした。
ハバロフスクは、収入の割に物価がやや高いと感じました。経済的には少々暮らしにくいかもしれません。
マクドナルドもスターバックスもない街です。街やお店の表示もほぼ全部がロシア語で、英語の表示がないので、何のお店なのか全くわかりません。
地元の方に、どこに観光にいったらよいかと尋ねると、公園へ行ってみなさいとおっしゃる方が多かったです。気候が温暖なこの時期、アムール川の岸辺や、噴水のある公園でのんびりと過ごしている若者や家族がたくさんいました。
(人工の池がある公園で遊ぶ家族連れです。土地が広いので人で混みあっている風景はあまりありませんでした。)
(下の写真は遊覧船から撮影したアムール川です。水は濁っており、最近は魚もとれないそうです。)
日本に比べたら、圧倒的にもののないところでしたが、それはそれで、地元の人は楽しく幸せに暮らしています。
冬の最低気温記録はマイナス38.9度、最低平均気温はマイナス20度を下回るそうですから、気候の良いときにのんびり過ごしたいですね。
(先ほどの黄色いバスの写真と同じ場所の深夜の風景です。)
大正時代とはいえ、ハバロフスクを日本が占領していたことがあったなんて・・・と思いをはせておりました。
末筆になりますが、皆さまのご多幸を強く念じております。今月もどうぞよろしくお願いいたします。
Hitoshi Yonezu at 10:00
| ささやタイムズ記事