年商120億円の会社の社長が、部下に仕事を丸投げしているという・・・
ヤマチユナイテッドグループの山地章夫社長は、年商1億円の会社を100個つくる、年商10億円の会社なら10個つくる・・・というイメージで、それぞれの事業を部下に丸投げしながら、会社を成長させてきました。
『年商100億の社長が教える、丸投げチームのつくり方』にその経緯が詳しく書かれています。
「丸投げ」と表現されているので、無責任な経営をしているのではないかと勘違いしてしまいますが、この本を読んでみると、任せるチームをつくり、仕組みをつくってから、丸投げしていることが分かります。ただ単に仕事を任せているのではないのです。
経営者は会社を大きくしたいと思っています。
では、なぜ会社は成長しなくてはならないのか?山地社長の答えです。
それはズバリ、成長自体がパワーであるからです。成長中の青年を想像してみてください。会う度に成長し、たくましくなっていく青年は、ものすごいエネルギーにあふれています。成長中の会社は、社長以下社員も若々しくパワーで周囲を圧倒します。(以上引用)
また、こんなことをおっしゃっています。
私は社長が一生懸命営業をしている会社を見ると不安になります。病気もできないのです。社長が営業をしている会社で儲かっている会社は見たことがありますが、大きくなった会社は見たことがありません。(以上引用)
いまの日本は、高度成長期のように、一生懸命仕事をしていれば次のチャンスがやってくるという時代ではありません。
私の父は高度成長期を知っている人ですから、「真面目に頑張れば必ず誰かが助けてくれるものだ・・・」とよく言ったものですが、真面目に頑張ってもうまくいかないのが現実です。
人口減少下の我が国では、一般的な消費に関するビジネスは、一生懸命やってもやらなくても、確実に仕事は減っていくのです。一生懸命やっているから・・・というのは言い訳にならなくなる社会です。
うちのような零細企業はもちろんですが、上場しているような大企業であっても、社長は、進むべき道を探していかねばなりません。
「丸投げ」と一言でいってしまうといい加減なイメージですが、やる気のある社員を引き上げ成長させるために、仕組みをつくって任せるならば、最も実戦的で優れた方法だと思います。
私もお客さまにいろいろなことを教えて頂きながら、なんとか商売をすることができています。やる気のある社員には社長と同じことを経験させたいと思います。

参考文献:
『年商100億の社長が教える、丸投げチームのつくり方』 山地章夫 (明日香出版社)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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