『会社は倒産体質』を読んで

2010年05月19日

 この本は、アナリストとして1000社以上の企業を取材され、ファンドマネージャーとしても活躍された、経済アナリストの木下晃伸さんが、企業経営や金融経済について書いたものです。

 上場企業の経営、大きな組織の中での会社員の生き方、中小企業の経営、組織論、金融資本主義など、話が多岐にわたっており、どういう立場で読むべきなのか、読む側としてはやや読みずらいですが、それぞれの内容については、参考になる話がたくさんありました。

 特に昨今の金融と経済の関係については、非常に分かりやすくまとめられています。

 90年代のバブル崩壊は、日本にとって明治維新、太平洋戦争に続く三度目の大激変でしたが、過去二回のように国民が気づくのほどの大きな物質的、精神的な変化がなく、その後は過去の成功体験そのままに業容を拡大させてしまったといいます。

 その結果、それ以降リーマンショックまでの日本経済は、内需の落ち込んだ分をアメリカの成長に頼ってカバーし、何の変革もないままにここまで来てしまいました。

 そのアメリカがかつての勢いを失ったいま、日本経済は地盤沈下する危険性が高まっています。

 『逆境を生き抜く 名経営者、先哲の箴言』において、北尾吉孝社長は、いざなみ景気において、輸出企業が好景気であった期間に、国内の改革が全くなされなかったことを問題視しておられますが、そのことと非常に近い考え方であると思います。

 その他にも気づきがたくさんある本です。ぜひご参考になさってください。

 参考ブログ:『日本にとって輸出の大切さ』
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e404770.html

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 参考文献:『会社は倒産体質 倒産リスクとの戦い方』 木下晃伸 (角川oneテーマ21)
 
 『逆境を生き抜く 名経営者、先哲の箴言』 北尾吉孝 (朝日新書)
 

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