『わかりやすく〈伝える〉技術』を読んで

2010年05月18日

 池上彰さんはNHKの報道記者として32年間、さまざまな現場を担当し、いまではフリーのジャーナリストとして活躍されています。分かりやすい解説をされることで有名な方です。松本市のご出身ということで、信州人としてはとても親しみを感じますね。

 『わかりやすく〈伝える〉技術』は、池上さんがテレビの現場で培った、分かりやすく伝えるノウハウを伝授してくれる書籍です。なるほど!と思える箇所がいくつもありました。

 私は日本語の使い方についての章が特に参考になりました。

 例えば、接続詞は極力使わない方がよいということです。「そして」や「だから」などの接続詞は、とりあえずは話がつながっているように見えるのですが、論理的な文章を書くことを妨げてしまうといいます。接続詞を使わないことで論理的な文章が書けるようになるそうです。

 「いずれにしましても」は、それまで述べてきたことをすべてチャラにしてしまう言葉だといいます。そう言われると、聞いている側としては、「それではいままで聞いてきたことは何だったんだ?」ということになってしまいます。この言葉は、準備が不十分なままプレゼンテーションをしている人がよく使う言葉だそうです。私も使ってしまっていたな・・・と反省しました。

 「隠れマジックワード」という発想は、文章をつくるときに使えそうだと思いました。
 「ねえ、ねえ、大変」という言葉を頭において、文章を考えます。文章が出来上がったら、「ねえ、ねえ、大変」を削除してしまうのです。そうすると、勢いのある、説得力のある文章が作れるそうです。「つまり」も「隠れマジックワード」として使えるそうです。

 私もこのところ毎日ブログを書いていますが、お客さまや読者の方から、

 「米津さんの書いていることは難しい。」
 「誰に向かって書いているの?」
 「何のために書いているの?」

 などと言われます。私としては、お客さまにお役に立つ情報をお伝えしたいと思って始めたことですが、「分かりやすく伝えられていない」証拠です。

 さすが、池上さんです。永い間、人に伝える仕事をされてきた積み重ねががあります。プレゼンテーションをされる方、文章を書かれる方には、とても参考になります。ぜひご一読ください。
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 参考文献:『わかりやすく〈伝える〉技術』 池上彰 (講談社現代新書)
 

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