「泣いて馬謖(ばしょく)を斬る」
意味:規律や秩序を守るためには、たとえどんな愛する者であっても、命令に背いた者は、私情を捨て心を鬼にして厳罰に処するということ。
由来:中国蜀の名将、諸葛孔明が可愛がっていた部下の馬謖が、命令に背いて軍をすすめ大敗したとき、軍律を守るために、泣きながら馬謖を斬ったという故事から。
「泣いて馬謖を斬る」といえば、この解釈が一般的だと思います。
SBIホールディングスの北尾吉孝社長の『逆境を生き抜く 名経営者、先哲の箴言』では、この故事をとり上げ、馬謖は兵法書の大変な勉強家だったが、勉強のみに過ぎるきらいがあり、実践をあまり経験していなかったことが問題だ、としています。
そして、その教訓として、本だけを読んでいてはだめで、常に実戦を経験する必要がある、とおっしゃっているのです。
私はその解釈を読みながら、一般的に言われていることと随分違う解釈をされているなあ~と気がつきました。
しかし、北尾社長は昔から古典をかなり読みこんできたとご著書に書いてありましたから、御自身の確固たる解釈があるはずです。
確かに不思議な取り上げ方だとは思いましたが、北尾社長がおっしゃっているのだから、すべてを分かったうえで解説をされているのだろうと思ったのです。
古典を読むには、人伝えや解説を読むのではなく、原典を読むことがもっとも正しく理解できることでしょう。
原典を読むことは時間も労力もかかりますが、読みこなしたときに得るものも大きいですし、原典を読んでいるという自信もつくはずです。
私も難しい本を読む時間をもっと増やしていきたいと思いました。

参考:ウィキペディア:泣いて馬謖を斬る
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A3%E3%81%84%E3%81%A6%E9%A6%AC%E8%AC%96%E3%82%92%E6%96%AC%E3%82%8B
参考文献:『逆境を生き抜く 名経営者、先哲の箴言』 北尾吉孝 (朝日新書)
『新明解故事ことわざ辞典』 三省堂編修所 (三省堂)
このブログは長野行きの新幹線あさま号の中で書きました。いまちょうど高崎駅に到着したところです。
Hitoshi Yonezu at 10:11
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