人間というものは、危害を加えられると思い込んでいた相手から親切にされたり恩恵をほどこされたりすると、そうでない人からの場合よりはずっと恩に感ずるものである。
『マキアヴェッリ語録』より引用
世の中には、どうみても不可解と思われるような人間関係が存在し、ときには、そのもつれから事件になったりします。
マスコミで取り上げられるような事件には、普通に暮らしていると想像もできないような複雑な人間関係を端緒としたものも多いですね。
歴史上の為政者のなかにも、なぜあの人物に民衆はついていったのかと思えるような、乱暴な人物もいます。
国際関係では、武力をちらつかせて、いつも最終的な利益を手にしている国もあるわけです。
共通しているのは、常に相手に重圧をかけて、恐怖感を植え付けていることです。
詰めて、詰めて、相手がおびえて困り果てると、急に力を緩めて、あたたかい優しさで、助けてあげるのですね。
助けるというより、正常な関係に戻しただけなのですが、本人は術にかけられしまっているから分からないのです。
これをやられたら、「あー、良かった、あの人は本当はいいひとなんだー」と、ほっとして、みんなその優しさにはまってしまうのですね。尊敬してしまうかもしれません。
マキャベリの権謀術数、恐ろしいですね・・・

参考文献:『マキアヴェッリ語録』 塩野七生 (新潮文庫)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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