紳助さんの『自己プロデュース力』を読んで

2009年11月24日

 島田紳助さんが、2007年3月に大阪の吉本総合芸能学院で行った特別講義の内容をおさめている本が『自己プロデュース力』です。

 漫才師として大人気を博した後、タレントや司会者としても大活躍し、今では数多くの飲食店も経営しているという、才能あふれる芸能人、島田紳助さんがどんなお話をされているのか、興味深く読みました。

 島田さんは、漫才を始めたとき、「勝てない現場には行かない」「勝てる現場では必ず勝つ」という戦略をとったそうです。

 当時は、子供からおじいさんおばあさんまで、どんなお客でも笑わせることができるのがよい漫才と考えられていました。

 紳助竜助は、その掟を破り、自分たちのターゲットを「20歳から35歳の男のお客」と決めてしまったのです。そういうお客がいるところでは全力でやり、その他の舞台では手を抜いていたといいます。

 キャーキャー大騒ぎしてくれる女の子についても、彼女たちを笑わすのは簡単だから、彼女たちをターゲットにしてしまっては、自分たちがだめになる、と考えていました。
 舞台の仕事で目の前に女の子がいたとしても、頭の中では、家でテレビを見てくれている若い男性をターゲットに漫才をしていたといいます。

 今でこそ、漫才も細分化され、いろいろなタイプの漫才師がいますが、当時としては大変な挑戦だったのです。
 
 私の考えですが、島田さんは、マーケティングで言うところの、セグメンテーション、あるいは戦略ドメインの考え方を漫才でも適用していたのです。
 セグメンテーションとは、市場細分化のこと、戦略ドメインとは、企業がビジョンを達成するために活動する事業領域のことをいいます。

 私のような凡人は、書物で勉強したあと、現実に当てはめてみようと試みますが、頭の良い人は勉強などせず、論理など知らなくても、感覚として成功の方程式をもっているのです。

 実際のところ、成功の事例が出てくると、その原因の共通項は何かを探り、研究者の方々がまとめてくださると、マーケティングや経営戦略の論理になるのですよね。

 何も考えなくても出来てしまっているという、その感覚がすごいと思います。私には到底できないことですので、せめてそういう頭のよい人のお話をお聞きし、学ばせて頂きたいと思います。
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 参考文献:『自己プロデュース力』 島田紳助 (ヨシモトブックス)
 

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