ハラで考える・・・内臓思考

2009年11月15日

 『グズな大脳思考 デキる内臓思考』は、神経外科の医師が書いた思考法の本です。心やアタマの良し悪しを左右するのは、ハラであり、大脳思考よりも、内臓思考をすべきといいます。

 この考え方について、当初どうもイメージがわかなかったのですが、読み進めていくうちに、「系統発生学・形態学」による説明が出てきて、ハラに落ちました。

 5億年以前のカンブリア時代、生命の進化の過程で最初に出てくる脊椎動物を、原索類といいます。その代表的なものがホヤやクラゲです。

 これらは腸のような形、機能をもった生き物で、腔腸動物というそうです。栄養を吸収して排出するだけの、まさに腸だけが動いているような生き物です。

 腸の動物とはいえ、腸の細胞の食欲を満たすためには、計画的に移動して捕食しなければなりません。
 捕食するためには、動くための筋肉が必要です。そして、筋肉を動かすためには命令をくだす神経が必要です。この神経のかたまりが原始の脳なのだそうでです。
 
 ホヤは、生まれ出た最初の日は泳ぎ回り、やがて定住する場所を決めて取り付くと、死ぬまで移動しません。
 泳いでいるあいだは、脳・神経システムを持っていますが、定住すると自分の脳を食べてしまうそうです。移動しないなら脳は必要ないのです。こんな生物がいるのですね・・・驚きました。

 つまり、生命の主人公はあくまで食と性を営む内臓系ということ。内臓のために脳があり、脳や神経系は内臓の手足のようなものであるというのです。

 この話を読んで、内臓系、とりわけ胃腸の重要性を改めて認識いたしました。

 原始、細胞の食欲を起点として、脳は発生しているのですから、もし胃腸の調子が悪ければ、その手足である脳においても、よい発想が出来るはずはないのです。

 ハラを大切にするということは、脳を大切にすることにもつながっていたわけです。
 
 最近、よい発想ができない、後ろ向きな発想になりがち、とお悩みの方、胃腸の調子はいかがでございましょうか?

 お腹を大切になさってくださいませ。  
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 参考文献:『グズな大脳思考 デキる内臓思考』 崎谷博征 (明日香出版社)
 

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