一日一生

2009年09月01日

 爽涼の候、皆様いかがお過ごしでございましょうか。短い夏の終わりに、私はいささか寂しさを感じております。

 日頃は大変お世話になっております。誠にありがとうございます。

 さて、天台宗には、約七年間をかけて比叡山中を1000日間、回峰巡拝する「千日回峰行」という修行法があるそうです。

 行を挫折したら自害する覚悟で、首を吊るための紐と短刀を携行し、一日に30kmから60kmを歩いたり、九日間、断食、断水、不眠、不臥で真言を唱えたりする大変過酷な荒行です。

 この行を成し遂げたのは、織田信長の比叡山焼き討ち以降400年間の記録で49人だけ、そのうち二度満行したのは、たったの三人だけだそうです。そのお一人が、御存命されている天台宗大阿闍梨、酒井雄哉師です。

 こんなご経歴をうかがってしまうと、どれだけ強い怖そうな方なのだろうと想像してしまいますが、ご著著『一日一生』を読むと、実に力のはいっていない、やわらかい和尚様なのです。

 『一日一生』では、こんなことをおっしゃっています。(以下引用)

 「自分の身の丈に合ったことを、毎日毎日、一生懸命やることが大事なんじゃないの。人間から見た偉いとかすごいとかなんて、仏さんから見れば何にも変わらないから。」

 「どんなにひどい目にあっても、時間がたてば必ず、いろいろなことがあったなあ、と思える時が来るよ。後になってから意味が分かることもある。だから、あせることも、自分はだめだと思うこともないよ。目の前のことをただ、一生懸命やるだけだよ。人生はその時だけじゃないんだって。」

 「いま良いことをしても、その結果は今日すぐに来るかもしれないし、三代くらい後かもしれない。でもそれは早いか遅いかの違いで、いました行いの結果は必ずあらわれると思うと、前向きになれるのじゃないかな。」(以上引用)

 私は、せっかちだ、早口だ、と注意されます。自分では気がつかないうちに、無用な何かに追われているのだと思います。
 酒井師のお言葉を読みますと、自分がいかに生き急いでいるのか、そしてその急ぎ方が実に恥ずかしいものだと思えてきました。

 先般お隠れになったある和尚様も、いつも静かでゆったりとされていて、ニコニコしていました。小さな事をよくほめてくださり、そんなとき、私は大変うれしく、またありがたかったです。

 寿命八十年とすれば、私の人生は残り半分を過ぎました。このあと何ができるでしょうか。一日を一生と思い、毎日を生きていきたいと思います。

 季節の変わり目でございます。どうかご自愛くださいませ。こちら上田のささや株式会社より皆様方のご多幸を心よりお祈り申し上げます。

 参考文献:『一日一生』 酒井雄哉 (朝日新書)
 

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