秋も深まり、すっかり日足も短くなってまいりました。みなさまいかがお過ごしでございましょうか。日頃は大変お世話になっております。誠にありがとうございます。
さて、今回はドラッカーの『マネジメント』の中巻を読んでいきます。
「マネジメントの二つの課題」についてご紹介します。
『マネジメント(中)』より引用します。
マネジメントの人間たるためには、肩書や個室などの地位を示すシンボル以上のものが必要である。卓越した能力と高度の仕事ぶりが要求される。
しかし、マネジメントの仕事のためには、天賦の才能は必要か。直感と方法論のいずれが重要か。マネジメントの人間はいかに仕事を行うべきか。
マネジメントには二つの課題がある。
(1)第一に、部分の総和よりも大きな全体、すなわち投入した資源の総和よりも大きなものを生み出すことである。それは、自らのビジョン、働き、リーダーシップによって、多くの楽器をまとめあげるオーケストラの指揮者に似ている。だが指揮者が手にしているのは、作曲家の手になる楽譜である。これに対し組織のマネジメントは、指揮者であると同時に作曲家である。
(2)第二に、自らのあらゆる決定と行動において、直ちに必要とされるものと、遠い将来に必要とされるものとをバランスさせることである。いずれを犠牲にしても組織は危険にさらされる。いわば、石臼に鼻を突きつけつつ丘の上を見るという曲芸をしなければならない。
『マネジメント(中)』第31章「マネジメントの仕事」p24-25より引用
managementという言葉は、英語だけにある言葉で、他の言語には同じ意味の言葉はない、と言われています。リーダーズ英和辞典を開くとmanagementについて、次のような意味が説明されています。
Management (マネジメント)
1a.取り扱い、統御、運用、経営
1b.経営力、支配力、経営の手腕
2.経営幹部、経営陣、経営者
『リーダーズ英和辞典』p1526より
経営者が経営を行う際の課題として、(1)では、組織全体として成果を上げることを示しています。言うまでもなく、経営は投入した資源以上に成果を生み出さなくてはなりません。そのために、経営者は、組織を動かす指揮者でありますし、組織そのものを作り出す作曲家でもある、ということです。
(2)では、短期と長期のバランスを指摘しています。石臼と丘の上の事例がありますが、これは今年一年を何とか生き延びるという目の前の課題と、来年以降をどう生き延びていくか、という将来の課題の両方を考え、そのバランスをとっていかなくてはならない、ということです。
いまだけを考えるなら、どんな方法をとろうとも今年の決算だけ(いまの数字だけ)をよくすればいいということになりますが、それでは企業は継続することができません。経営の立場にない方にはなかなか理解し難いことだと思いますが、経営者としてはどのように長短のバランスとるかは、決断をしなくてはならないところです。
仕事でも家でもときどき嬉しいことがあって、とても小さな喜びですが、私はその瞬間を、幸せだなー、と思って、楽しんでいます。それを原動力に遠くを見ています。
当社はいま営業構造を転換するべく取り組んでおります。一刻も早くお客さまのお役に立てるよう努めてまいります。いつもご利用くださり、ありがとうございます。今月もどうぞよろしくお願いいたします。
参考文献:『マネジメント 課題、責任、実践(中)』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)

Hitoshi Yonezu at 10:00
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