Create a customer

2021年11月01日

 秋も一段と深まってまいりました。コロナ禍の中ではありますが、秋の旅行シーズンもピークとなり、人の動きが増えているようです。
 みなさまいかがお過ごしでしょうか。日頃は大変お世話になっております。誠にありがとうございます。

 このブログでは、ただいまP.F.ドラッカーの著作『マネジメント』を読んでいます。先月のブログでは「顧客の創造」(to create a customer)について、ご紹介しました。続きの部分を読んでみます。

 市場をつくるのは、神や自然や経済ではなく企業である。企業が満足させようとする欲求は、顧客がそれを満たす手段の提供を受ける前から感じていたものかもしれない。飢饉における食物への欲求のように、生活全体を支配し、人にそのことばかり考えさせていた欲求かもしれない。しかしそれでも、有効需要に変えられるまでは、潜在的な欲求であったにすぎない。有効需要に変えられて初めて、顧客と市場が誕生する。 欲求が感じられていなかったこともある。
 コピー機やコンピュータへの欲求は、それらのものが手に入るようになって初めて生まれた。イノベーション、信用供与、広告、販売活動によって欲求が創造されるまで欲求は存在しなかった。顧客を創造するものは、常に企業である。

        『マネジメント(上)』第6章「企業とは何か」p73より引用


 顧客の創造とは、一人一人の人間に注目し、お客さまがかなえてほしいと願っている需要や願望にお応えすることを意味しているのではないでしょうか。それはお客さまご自身が明確に想像できていて、説明できる商品・サービスかもしれませんし、本人でさえ全く想像がついていない商品・サービスかもしれません。

 おなかがすいた、というはっきりした需要に、レストランで食事を提供する、コンビニでおにぎりを販売する、という見える形でお応えするのも顧客の創造ではありますが、お客さまがまだ気がついていない便利な商品やサービスを作り出し、お客さまにご満足いただける状態をつくりだすも顧客の創造であるのです。

 コピー機やコンピュータはそれができて使ってみるまで、どんなに便利なものなのか誰も知らかったのです。私も中学生の頃はコンピューターとは何なのか全く知りませんでしたし、インターネットの仕組みなど頭の片隅にもありませんでした。

 企業の努力(イノベーションとマーケティング)により、便利な商品、サービスが発明されると、これを便利だと思うお客さまが次々に購入します。そして、世界中に広がっていき、世界を豊かにします。このようなことが出来るのは、企業がお客さまの一人一人にしっかり向き合って、お客さまの願望を解決しようと努力を積み重ねてきたからにほかなりません。これが create a customerの意味であると思っています。
 
 いつもご利用ありがとうございます。今月もよろしくお願いいたします。

 末筆ながら、コロナ禍が一刻も早く終息し、安心で豊かな社会が戻りますことを、みなさまのご多幸、ご健勝を祈念しております。

  


 参考文献:
 『マネジメント(上)』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
 

"Management Tasks,Responsibilities,Practices" Peter.F.Drucker HarperCollins e-books

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