一年で最も寒さの厳しい時期、楽しい冬をお過ごしですか?日頃は大変お世話になっております。誠にありがとうございます。
さて、先月のブログでは、ドラッカーの「われわれの事業は何になるか」という問いをご紹介しました。この問いは、現在の事業を改善し、発展させていくための問いでした。
次の問いは「われわれの事業は何でなければならないか」というものです。
次に、「われわれは正しい事業にいるか」「われわれの事業を変えるべきか」を問う必要がある。
もちろん、意図してではなく偶然事業に参入する企業も多い。しかし、たとえ偶然にせよ、自らの労力と資源を新しい製品に移行させるという決定、すなわち新しい事業への参入の決定は、「われわれの事業は何でなければならないか」という分析に基づいて行う必要がある。
『現代の経営(上)』 p76より引用
「われわれの事業は何でなければならないか」という問いは、現在の事業をまったく別の事業に変えることによって生存の機会を探る問いであり、より大きな問いであります。ここでは、保険会社が投資信託や株式投資を扱うようになった事例や、クリスマス用玩具の卸売業者が水着卸の事業に進出した事例などが紹介されています。
事業を放棄するかどうかは、利益の状況よりも、マーケティング、イノベーション、生産性に関わる状況が先に教えてくれる。
『現代の経営(上)』 p79より引用
経営者にとって、利益率の時系列的変化を見ていくことは大切ですが、それ以上に、経済や技術の先行き、生活や嗜好の変化、競合他社の動向などを敏感に察知して行動していくことが重要です。
これからの10年間で我が国の労働力人口はおよそ200万人減少すると言われています。2030年には今とは全く違う世界が目の前に広がっていることでしょう。そのときに生き延びていられるかどうか、です。
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参考文献:
『現代の経営[上]』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
Hitoshi Yonezu at 10:00
| ささやタイムズ記事