暑中お見舞い申し上げます。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
日頃は大変お世話になっております。誠にありがとうございます。
当社は、今期(第67期)の重点目標の一つに生産性の目標を掲げました。飲食サービス業は、多くの従業員を投入しなくてはならない労働集約型産業であり、学生や主婦などのパートタイマーを多く抱えています。また、ある一定の時期に集中して人手が必要となるため、一人当たりの業務量が多いです。そのため、生産性が低い業界であります。
ドラッカーは生産性について、次のように述べています。
企業は、顧客の創造という目的を達成するために資源を利用する。企業は、資源を生産的に利用する機能をもつ。これが事業の管理的機能である。その経済的側面が生産性である。
P.F.ドラッカー 『現代の経営[上]』 p52
顧客の創造のために、限られた資源を効率的に利用する経済的側面が「生産性」であるわけです。
生産性の向上は、肉体労働によっては実現されない。逆にそれは、肉体労働をなくす努力、肉体労働を他のものに置き換える努力によってもたらされる。こうして肉体労働を代替したものの一つが、資本財すなわち機械設備の力だった。
生産性の向上にとって、機械設備への代替に劣らず重要でありながら、いまだ十分に行われていないものが、熟練未熟練の肉体労働者を教育ある理論的、分析的な人的資源に代えること、すなわち肉体労働者を経営管理者や専門職に代えること、体の駆使を頭脳の駆使に代えることである。実は、そのような代替は、肉体労働から機械設備への代替の前に行われる。なぜなら、機械設備を計画し設計するという理論的、分析的、概念的な仕事を、誰かが行わなければならないからである。
P.F.ドラッカー 『現代の経営[上]』 p53-54
「肉体労働」は、原書では“manual worker”となっています。つまり、マニュアルにそってのみ仕事をする人のことを指しています。マニュアルも、それにそって働いてくださる人もとても大切で、欠くべからざる存在ですが、生産性を上げるためには、そのマニュアルを進化、改善できる人がいなくてはならないのです。
製造業のみなさまが日々大変な努力をされて生産性を上げておられる中、私たち飲食サービス業も生産性向上に向き合っていかなければ、生き残ることはできないでしょう。生産性が低いということは、生産性を上げる伸びしろが大きいということです。なんといってもお客さまのご満足の向上が第一義でありますが、そのうえで、生産性向上に取り組んでまいります。
いつもご利用ありがとうございます。今月もどうぞよろしくお願いいたします。

参考文献:
『現代の経営[上]』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
Hitoshi Yonezu at 10:00
| ささやタイムズ記事