マネジメントの権限

2018年10月01日

 秋の夜長、読書の好季節となりました。みなさまいかがお過ごしでございましょうか。日頃は大変お世話になっております。誠にありがとうございます。

 さて、マネジメントというと、上位から下位へ権限を委譲していくようなイメージがありますが、ドラッカーの示したマネジメントの権限はこれとはまったく違うものでした。

 いかなる事業を行うかはトップマネジメントが決める。そのための最終製品が決定され、事業上の目標が設定される。そこから、行われるべきことが一つひとつ明らかにされていく。
 しかし、マネジメントの仕事は、下から決めていかなければならない。生産、販売、設計の最前線の活動からスタートしなければならない。すべては最前線のマネジメントの仕事ぶりにかかっている。上層のマネジメントの仕事は、この最前線のマネジメントを助けるための派生的な仕事に過ぎない。
 あらゆる権限と責任が最前線にある。彼らにできないことだけが上層にゆだねられる。いわば、最前線のマネジメントが組織のDNAである。上層の機関のなすべきことは、すべてそこで規定される。

            『マネジメント(中)』 p50-51より引用


 「わが社は何をするか?」はトップマネジメント(経営者)が決めますが、それを「どのように行うか?」は最前線のマネジャーが決めなくてはいけません。(この文章のマネジメントはマネジャーと置き換えて読んでもいいと思います。)
 成果を上げる事業計画を作る責任は経営者にありますが、その計画を分析し仕事に分解し、実行する責任は最前線のマネジャーにあります。その仕事こそが組織のDNAをつくるのです。ですからマネジャーの教育はとても重要です。(もちろん最終の結果責任はトップマネジメントにあります。)

 私は出来る限りお店に行ってお客さまの状況を把握し、緊急なことはすぐに修正させます。しかし、基本的には最前線のマネジャーの考えを尊重しています。マネジャーの方法で実行してもらい、成功するための手助けを私が行うようにしております。もしもうまくいかなかったら、本人に理解させ、トップマネジメントが修正することになります。

 いつも当社をご利用いただき、ありがとうございます。なにかお気づきの点がございましたら、ご遠慮なくお申し付けください。今月もご指導のほどよろしくお願いいたします。

 参考文献:『マネジメント 課題、責任、実践(中)』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
 


  

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