愛は肯定的な幻想によって始まる。
惚れてしまうと相手のどんなところでも、長所に見えてしまうのである。「痘痕も靨」(あばたもえくぼ)ということわざのことである。
逆に「惚れた腫れたは当座のうち」ということわざもある。甘いことを言っているのは、夫婦になりたてのはじめのうちだけのことで、まもなく熱が冷めて所帯じみてしまうということを意味する。
冒頭の一文は、『最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたった一つのこと』という本から引用したものである。
ビジネス書なのに、なぜ愛の話なの?と思われることだろう。
この本のテーマである「たったひとつのこと」という原則を理解するために、一例として結婚生活について述べられているのである。
幸せな結婚生活を送るために知らなくてはならないたったひとつのこととは、
「おたがいの行動について最も寛大な解釈を当てはめ、それを信じること」だという。
相手の弱みを見つけても、強みとして解釈しなおす。
例えば、「彼女はせっかちなのではなく、熱心なのだ」、「彼女は視野が狭いのではない、集中型なのだ」と。
パートナーに対して理想のイメージを作り上げる方法を知ることができれば、長く続く強い関係を築くことができる。
一貫して「痘痕も靨」の状態が続くように、パートナーに対してよいイメージだけを膨らませていればよいのである。
この本はある経営コンサルタントの方に薦められたものである。買ってはみたものの、雰囲気的に何となく読む気になれず、1年くらい横積みになっていた。
窓際に積んであったので、表紙の黄色が抜けてきてしまった。その姿を見て、あまりもかわいそうに感じたので、ようやく読み始めたのである。
読んでみると、私の先入観とは全く違って、わかりやすく、おもしろい。もっと早く読めばよかったと反省した。
私の趣味の問題かもしれないが、装丁で損をしてはいないか。
話がだいぶそれてしまったが、この本はリーダーシップについて書かれたビジネス書である。
三つのことが書いてある。すぐれたリーダー、すぐれたマネージャー、継続的な成功を手にする人のそれぞれが、何に注目しているかである。それぞれ、たった一つだけのことに注目をしているのである。
私はリーダーシップについて明快に整理ができた。
人をまとめる立場の方にとても参考になる。ぜひ読んでみてください。
参考文献: 『最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたった一つのこと』
マーカス・バッキンガム (日本経済新聞社)
Hitoshi Yonezu at 22:00
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