カリスマとリーダーシップ

2016年02月01日

 寒中お見舞い申し上げます。

 暖冬といわれたお正月から一転、信州らしい冬になりました。みなさまいかがお過ごしでしょうか。日頃は大変お世話になっております。誠にありがとうございます。。

 さて、世の中にはカリスマ経営者と呼ばれる優れた経営者が数多おられます。カリスマ経営者とは一般人の水準を超えた資質をもつ経営者のことを意味します。

 ドラッカーは、カリスマ的なリーダーシップを好みませんでした。それは若き日のドイツにおいて、ヒトラーというカリスマを見たからだ、とも言われています。

 そんなドラッカーの気持ちを窺わせる文章があります。

 リーダーシップとは人を惹きつけることではない。惹きつけるだけでは扇動者にすぎない。友だちをつくり、影響を与えることでもない。それでは人気取りに過ぎない。
          
               『マネジメント(中)』 p111より引用 


 カリスマでなければリーダーシップを発揮できないのだとすれば、経営者としての成功はその人の固有の性質で決まってしまうことになります。そんなことはないわけです。
 ドラッカーの考えるリーダーシップは次のようなものでした。

 リーダーシップとは、人のビジョンを高め、成果の水準を高め、通常の限界を超えて人格を高めることである。そのようなリーダーシップの基盤として、行動と責任についての厳格な原則、成果についての高度の基準、個としての人と仕事に対する敬意を、日常の実践によって確認していくという組織の精神に勝るものはない。

               『マネジメント(中)』 p111より引用

 
 演説がうまいとか、格好がいいとか、食事をおごってくれるというような世俗的なリーダーシップとは全く違いますね。
 ドラッカーのリーダーシップとは、人のビジョンと成果の水準を高め、人格を飛躍的に高めることです。そのために①行動と責任についての厳格な原則②高い成果基準③人と仕事に対する敬意を、組織の精神として仕事に組み込み、日々実践するようにしておかなくてはなりません。リーダーには成果だけでなく、高い人間性が求められているのです。
 
 理想的なリーダーの出現を待つことは、不確実な賭けです。しかし、リーダーシップは育てることができるのです。
 ただ待っているよりも、組織においてリーダーシップを醸成することのほうが確実です。もしもリーダーシップが育たないとすれば、社長が組織の精神を浸透させなかったことに原因があります。社長としてもっと考え、語り、つくりあげ、決断し、実行をしていかねばならないのだろうと考えます。私としてもまだまだ足りていない部分です。

 まだまだ寒い日が続きます。お身体ご自愛くださいませ。いつもご利用ありがとうございます。

 参考文献:
 『マネジメント 課題、責任、実践(中)』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
 

  

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | ささやタイムズ記事

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