それでもなお、人を愛しなさい

2008年12月01日

 あわただしい年の暮れとなりました。皆さまいかがお過ごしでございましょうか。日ごろは大変お世話になっております。誠にありがとうございます。
 
 サブプライムローン問題を発端とした金融恐慌は、グローバル化した金融システムのもとで、瞬間的に世界に広がり、ここ信州でも実物経済に深刻な影響を及ぼし始めています。太平洋を隔てた遠いアメリカの問題であっても、まるでお隣にいるかのように、影響がでてくるのです。
 
 実物経済といえども、その実物経済自体が金融工学を使って証券化されてきたために、金融経済と密接に結びつくようになりました。金融の問題が金融経済の中だけで収まることはなくなってしまったのです。実物経済と金融経済との混合が相当進んでいるように思います。
 
 その結果、投機や過度な利益追求によって、世界全体が熱しやすく、また冷めやすい状況になっているのです。
  
 既に新聞報道等で経済や企業経営の実態が伝えられていますが、各社の今年の第四四半期の業績が分かり始める年末から来年初頭には、さらなる変化があるかもしれません。

 そんな中、自分の生き方を見つめなおすきっかけとなるような書籍と出会いました。  
 『それでもなお、人を愛しなさい』は、1968年、当時ハーバード大学の学生だった著者が高校生向けの小冊子に記した「逆説の10カ条」を詳しく解説した書籍です。

 「逆説の10カ条」は著者の知らぬ間に、数奇な運命をたどって、マザー・テレサの言葉として世界を駆け巡っていました。

 著者はこの本の紹介として、以下のようなことを書いています。
 
 (以下引用)
 確かにこの世界は狂っています。あなたにとってこの世界が意味をなさないと言うのなら、それはあなたの言うとおりです。この世界は全く意味をなしていません。
 大切なことは、それについて不平を言うことではありません。希望をすてることでもありません。それはこういうことです。世界は意味をなしていません。しかし、あなた自身は意味をなすことが可能なのです。あなた自身は一人の人間としての意味を発見できるのです。
 (以上引用)
 
 まわりの状況がどうなろうとも、自分自身の選択だけは、最後に残された完全な自由です。自分はどんな選択をすることも可能なのです。「逆説の10カ条」は、自らの意思で勇気をもって強く生きていく決意を促してくれます。10か条のうち、三つをご紹介致します。

 1 人は不合理で、わからず屋で、わがままな存在だ。
   それでもなお、人を愛しなさい。
 
 4 今日の善行は明日になれば忘れられてしまうだろう。
   それでもなお、良いことをしなさい。

 7 人は弱者をひいきにはするが、勝者の後にしかついていかない。
   それでもなお、弱者のために戦いなさい。


 自分が決断をして自分らしい行動を取れるかどうかは、この10か条を実行できるかどうかにかかっていると思います。多くの人たちが「生きることの意味」に心の焦点を合わせるようになれば、世の中は変わり始めると著者は書いています。

 金融資本主義が崩壊しようとしているいま、誰もが将来に不安で、マスコミや伝聞に流されやすくなっています。自分の行動がぶれていないかを確かめるためにも、ぜひご参考になさってください。
 
 最後になりましたが、皆様方にとって幸せなお年越しでありますことを、こちら上田ささやよりお祈り申し上げます。一年間ご愛顧頂きましたこと、心より御礼申し上げます。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 参考文献:『それでもなお、人を愛しなさい』ケント・M・キース(早川書房)
 


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