周りの人の働き方を知る

2014年09月11日

 ドラッカーの『明日を支配するもの』第6章「自らをマネジメントする」より引用いたします。

 上司に仕事をしやすくさせることは、部下のつとめである。そのためには、上司を観察し、彼らの強み、仕事の仕方、価値観を知るだけでよい。上司をマネジメントするうえでの秘訣である。
 これと同じことを、共に働く人全員について行わなければならない。それぞれに、それぞれの仕事の仕方がある。それぞれの仕方で仕事をして当然である。重要なことは、共に働く者の強みである。仕事の仕方である。価値観である。これらのすべてが、人によって違うのが当たり前である。


      P.F.ドラッカー 『明日を支配するもの』 p221より引用



 前回までは、強み、仕事の仕方、価値観について、自分のことを考えればよいのだ、と思っていました。

 しかし、ここへきて、共に働く上司や同僚についても、強み、仕事の仕方、価値観を知らねばならない、ということが明らかになります。
 
 なぜでしょうか?

 組織において、自分一人だけで成果を上げることは難しいからです。

 自分を助けてくれる多くの人の力がどうしても必要です。
 
 『経営者の条件』第1章にも、次の記述がありました。

 通常、成果をあげるうえで最も重要な人間は直接の部下ではない。他の分野の人、組織図上では横の関係にある人である。あるいは上司である。それらの人と関わりをもち自らの貢献を利用してもらい成果に結びつけてもらわなければ、いかなる成果もあげられない。

               『経営者の条件』 p31より引用


 (『明日を支配するもの』(1999)は『経営者の条件』(1966)の33年後に出版されています。)

 ここにおいて、反省すべきことは、我々は上司、同僚という周りの人たちのことを、どれだけ知っているか?ということです。

 人の話や仕事の仕方を長年見ていれば、その人が成果を上げやすい方法は、分かってくるはずです。

 それをよく考慮したうえで仕事を依頼しているか、です。

 私自身のことを考えても、どれだけの部下が私のやりやすい方法に配慮してくれているか・・・・・・愚痴ではありませんが(笑)

 どの人にとっても、上司、同僚、部下をよく見ることが求められています。

 組織において成果を生み出すためには、共に働く人の強み、仕事の仕方、価値観を見ていかねばなりません。

 好きとか嫌いとかいう価値判断から超えていかねばなりません。(マナーが悪い、性格に問題がある、など常識がない人は除外します。同僚が善良な社会人であるという前提です。)

  


 参考文献:
 『明日を支配するもの』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
 

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