直接の成果

2014年04月08日

 ドラッカーが唱える三つの成果のうち、第一の成果とは「直接の成果」です。

 『経営者の条件』第3章「どのような貢献ができるか」より引用します。

 第一の領域である直接の成果については、はっきり誰にでもわかる。企業においては売上げや利益など経営上の業績である。病院においては患者の治癒率である。もちろん直接的な成果といっても、銀行の証券代行部のように誰にも明白なものばかりとは限らない。だが直接的な成果が何であるべきかが混乱している状態では成果は期待しえない。

          『経営者の条件』 p81より引用


 原文では次のように表現されています。

The direct results of an organization are clearly visible,as a rule.In a business, they are economic results such as sales and profits.In a hospital, they are patient care, and so on.But even direct results are not totally unambiguous,as the example of the Agency vice-president in the bank illustrates.And when there is confusion as to what they should be,there are no results.

”The Effective Executive” p55


 「直接の成果」は、分かりやすいものですね。

 企業においては売上げや利益など経営上の業績のことです。

 売上げや利益というと、おや!と思う方がおられるかもしれません。
 
 「利益を事業の目標にはしない」というドラッカーの言葉は有名です。
 
 参考ブログ:利益を目標にすると
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e1411835.html

 『経営者の条件』が発行されたのは1966年ですが、利益を目標にしないということは1954年発行の『現代の経営』において、既に述べられていることです。

 先般ご紹介しましたが『経営者の条件』の81ページには「あらゆる組織が三つの領域における成果を必要とする」と書いてあります。「目標にする」とは書いてありません。

 英文では次の通りです。

 For every organization needs performance in three major areas
 (”The Effective Executive” p55)
 
 「直接の成果」は組織にとって欠くべからざる必要なものではありますが、目的や目標にすべきものではないのです。

 あくまで存続するための条件なのです。

  


 参考文献:
 『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
 

 ”The Effective Executive” P.F.Drucker (Harper Business)
 

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | ドラッカー

お知らせ
Hitoshi Yonezu
P.F.ドラッカーを読む読書ブログです。
 
ささや
< 2025年05月 >
S M T W T F S
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
インフォメーション
長野県・信州ブログコミュニティサイトナガブロ
ログイン

ホームページ制作 長野市 松本市-Web8