ドラッカーの『経営者の条件』第3章「どのような貢献ができるか」より引用します。
われわれは、自己開発と人材育成について多くを知らない。しかし唯一知っていることがある。人、特に知識労働者というものは、自らが自らに課す要求に応じて成長する。自らが成果や業績とみなすものに従って成長する。自らに少ししか求めなければ成長しない。多くを求めるならば何も達成しない者と同じ努力で巨人に成長する。
『経営者の条件』 p97より引用
原文では次のように表現されています。
We know very little about self-development.But we do know one thing: People in general, and knowledge workers in particular, grow according to the demands they make on themselves. They grow according to what they consider to be achievement and attainment. If they demand little of themselves,they will remain stunted. If they demand a good deal of themselves,they will grow to giant stature---without any more effort than is expended by the nonachievers.
”The Effective Executive” p68-69
自分の仕事に対して、自分自身で明確な成果を求めているでしょうか?
指示、命令されたことだけを決められた時間の中でこなしていくことは、自らに要求を課していることになりません。その考え方では自分の成長を阻害することになります。
ドラッカーは「多くを求めるならば何も達成しない者と同じ努力で巨人に成長する」と述べています。
「巨人」という言葉が気になりましたので、原文を見てみますと”giant stature”です。
そのままですね・・・・・・
この言葉に何か特別な意味があるのでしょうか?ご存知の方がおられたら教えてください。
チャップリンをはじめとして、いままで数々の映画やテレビで揶揄されてきたように、いかなる労働者も簡単に組織の歯車になります。
悪い意味で歯車に甘んじてしまうことと、組織の牽引車になることは大きな違いですが、そこを別つ元の部分はちょっとした違いなのです。
自らに少ししか求めないか?それとも多くを求めるか?です。
stunt …の発育(成長、生長)を妨げる stature 身長、心的成長、偉大さ、器量、名声

参考文献:
『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
”The Effective Executive” P.F.Drucker (Harper Business)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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