創造と変革の経済

2014年02月27日

 ドラッカーの『経営者の条件』第2章「汝の時間を知れ」より引用します。

 今日、増大する余暇の過ごし方について困っているのは知識労働者ではない。反対に、彼らの労働時間はますます長くなっており、時間への要求はさらに増大している。時間不足は改善されるどころか悪化している。
 このような事態の重大な原因の一つは、高い生活水準というものが創造と変革の経済を前提としているところにある。創造と変革は時間に対して膨大な要求を突きつける。短時間のうちに考えたり行ったりすることのできるのは、すでに知っていることを考えるか、すでに行っていることを行うときだけである。

           P.F.ドラッカー 『経営者の条件』 p56より引用


 知識労働者への時間の要求はますます増えています。

 やってもやってもきりがないというのが、知識労働者の現実です。

 その原因の一つは「高い生活水準というものが創造と変革の経済を前提にしているからだ」とドラッカーはいいます。

 この部分は原文では次のように表わされています。

One important reason for this is that a high standard of living presupposes an economy of innovation and change.

”The Effective Executive” P.F.Drucker (Harper Business) p34


 presupposeというのは「前もって推定する、前提条件として必要とする」という意味です。(リーダーズ英和辞典)

 「創造と変革」というところにもう少し別の意味があるのかな~と思って調べてみましたが、そのままの感じの"innovation and change"でした。

 知識労働者こそが創造と変革をするべき人です。

 時間で働くのではなく、創造と変革の成果を生み出すような仕事をするのが知識労働者なのです。

 いま時代は、特に日本においては、ますます創造と変革を要求しています。

 我が国をよい国にしていくために、われわれ個人個人は自分の働きぶりが公益につながっていくことを認識しなくてはなりません。
 
  

 
 参考文献:
 『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
 

 ”The Effective Executive” P.F.Drucker (Harper Business)
 

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