趨勢の変化

2014年01月22日

 ドラッカーの『経営者の条件』第1章「成果をあげる能力は修得できる」より引用します。

 外の世界における真に重要なことは趨勢ではない。趨勢の変化である。この外の変化が組織とその努力の成功と失敗を決定する。しかもそのような変化は知覚するものであって、定量化したり、定義したり、分類したりするものではない。分類によって数字は得られるが、そのような数字は現実の状況を反映していない。
 

           P.F.ドラッカー 『経営者の条件』 p36より引用

 
 「趨勢」と「趨勢の変化」・・・・・・何が違うのでしょうか。

 広辞苑で「趨勢」という言葉を調べると、「物事の進み向かう様子。動向。なりゆき。」と説明されています。
 
 いま目の前で流れている姿、それこそが趨勢です。
 
 その流れの向きが変わることが趨勢の変化です。

 例えば、昭和時代にはよく走っていたブルートレイン(寝台特急)は最近はほとんど運行されなくなってしまいました。

 寝台特急の本数が減ってきて寂しいなあ・・・・・・と感じるのは趨勢のことです。

 景気が悪いからという理由ではありません。出張や旅行をする人のニーズは変わりませんが、手段が変わりました。

 新幹線や飛行機が多く運行されるようになったのです。人びとは快適性やスピードを求めるようになりました。自動車の性能もよくなったので、旅行で遠出をする家族も増えたでしょう。
 
 寝台特急に代わる乗り物がどんどん出てきているんだ・・・・・・と感じることが趨勢の変化についての気づきです。

 こういった変化は、数字では見えないので、人間の知覚によるしかありません。

 マネジメントには趨勢の変化に敏感であることが求められます。

  

 
 参考文献:
 『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
 

 ”The Effective Executive” P.F.Drucker (Harper Business)
 

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