謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は大変お世話になりました。誠にありがとうございます。本年も社員一同、みなさまのお役に立てますよう、一生懸命努力いたします。ご指導、ご鞭撻のほど、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
さて、一年前まで私にはコンビニのコーヒーといえば缶コーヒーやプラスチック容器入りのコーヒーのイメージしかありませんでした。
昨年はコンビニに「カウンターコーヒー」なるものが登場しました。カウンター上のコーヒーメーカーを使ってセルフサービスでつくるコーヒーです。
夏頃でしょうか、インターネットにカウンターコーヒーの話題がしばしば掲載されるようになりました。外回りの営業をしている私の友人は毎日のようにコンビニのアイスコーヒーを飲んで写真をSNSにアップしていました。
初めて飲んでみたら、想像以上においしいと感じたのを覚えています。
カウンターコーヒーは大変よく売れて、コンビニ全体の売上げを押し上げたと聞きます。
内需の消費市場はもはや成熟し伸びる余地はないのではないか、と考えてしまいますが、コーヒーの売り方にも、まだ誰も気がつかなかった新しいアイデアがあったわけです。
ドラッカーは『ポスト資本主義社会』において、知識が経済、社会に応用されてきた歴史について次のように紹介しています。
第一段階として、知識は十八世紀半ば以降、一〇〇年にわたって道具、工程、製品に応用された。それが産業革命だった。
(中略)
第二段階として、一八八〇年頃に始まり第二次世界大戦の末期を頂点として、知識は装いを新たにして仕事に応用された。その結果、生産性革命がもたらされた。
(中略)
第三段階として、第二次世界大戦後、知識は知識そのものに応用されるようになった。それがマネジメント革命だった。
『ポスト資本主義社会』 p25-26より引用
カウンターコーヒーは普通のコーヒーですから、特段目新しい技術革新が導入されたわけではありません。
しかし、マーケティングという知識が応用されました。その結果として、多くのお客さまが安くておいしい入れたてのコーヒーを飲めるようになりました。社会的な価値が生み出されたのです。
いまや知識は、成果を生み出すために既存の知識をいかに有効に応用するかを知るために応用される。これがマネジメントである。同時にそれは、「いかなる新しい知識が必要か」「その知識は実現可能か」「その知識を効果的にするためには何が必要か」を明らかにするためにも応用される。すなわち、知識は体系的なイノベーションにも応用される。
『ポスト資本主義社会』 p56より引用
世の中には、見えていないけれども、解決できる問題がまだ山積みされているはずです。問題を発見し、知識を知識に応用すれば、想像もできないようなまったく新しい価値が創造されるでしょう。
今年はどんな明るい世界を見ることができるでしょうか。
マネジメントの力にかかっています。
みなさまのご健勝と益々のご発展を心よりお祈り致します。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

参考文献:『ポスト資本主義社会』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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