ドラッカーの『創造する経営者』第6章より引用します。
企業が売っていると考えているものを顧客が買っていることは稀である。もちろんその第一の原因は、顧客は製品を買っているのではないということにある。顧客は、満足を買っている。しかし誰も、顧客満足そのものを生産したり供給したりはできない。満足を得るための手段をつくって引き渡せるにすぎない。
『創造する経営者』 p118より引用
顧客は、満足を買っている・・・・・・
いまや誰がも口にする、あまりにも有名なフレーズです。
私がこの言葉を知ったとき「それはそうなんだろうけど、なんか格好つけてるなあ」としか感じませんでした。単に格好のいいだけの言葉だと思っていました。
未熟でした。何年も経ってだんだんと理解してきたような気がします。
われわれがつくって、お客さまに引き渡しているものは「満足を得るための手段」なのです。
もしも商品やサービスが「満足を得るための手段」ではないとしたら、お客さまは離れていくでしょう。
誤解を恐れずに強めに言ってしまえば、商品やサービスの内容を上げたり、種類を増やしたりすることは、供給側の勝手ですので、お客さまが離れるかどうかとはあまり関係がないということです。
自社の商品やサービスがいかに素晴らしいかを自慢することは、視線が自分に向いていることになります。
商品やサービスのスペックを上げるよりも先にやらねばならないことがあります。
お客さまが満足しているかどうかを知らなくてはならないのです。

参考文献:
『創造する経営者』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
Hitoshi Yonezu at 10:00
| ドラッカー