『日本一を目指す物流会社のすごい勉強会』を読んで

2013年11月21日

 ハマキョウレックスの代表取締役会長、大須賀正孝さんと同社社員勉強会によるご著書『日本一を目指す物流会社のすごい勉強会』を拝読いたしました。

 ハマキョウレックスは、物流センターを運営する事業で、16年連続増収増益、営業利益率10%超の超優良企業です。2003年に東証1部に上場しています。

 大須賀さんは1941年生まれ、中学卒業で働き始め、職を転々とした後、1971年浜松協同運送(現・ハマキョウレックス)を設立されました。1993年に大手スーパーの物流センター業務を受注し、毎日収支をもれなく把握する「日々収支」、パートさんが交替で班長を務める「日替わり班長制度」、物量に応じてパートさんの人員を調整する「アコーディオン方式」などユニークな手法で収益力を強化されています。

 この本はハマキョウレックスで行われている社員勉強会の方法を現実に行われた記録も紹介しながら具体的に教えてくれるものです。

 社員勉強会は、全国にある物流センターや営業所、本社管理部門、グループ会社などから、それぞれ1~2名が参加して、本社のある浜松のホテルで一泊二日の泊まり込みで開催されているそうです。年に10回ほど開催され、一回の参加者は50人以上だそうです。
 ロの字型にテーブルを並べ、全員の顔が見えるような形にします。そこで各人の目標、抱えている問題、その対策、会社に対する要望などを本音でみんなの前で話してもらい、社長や会長からアドバイスをしてもらうのだそうです。

 大須賀さんが社員に対して意識してもらっているのは次の三つです。

 ・全員参加
 ・日々収支
 ・コミュニケーショ

 全員参加で同じ目標に向かって進む。その達成方法の答えを見つけるために、日々収支を確認する。そして、みんなに納得してもらえるようにコミュニケーションをしていく。

         『日本一を目指す物流会社のすごい勉強会』 p7より引用


 この三つのキーワードについては、この本の中で詳しく解説されています。

 日々収支のための日計表は現場でつくるのだそうです。

 だから収支日計表は、センターの実情に合った形式で、自主的に作ってもらう。
 もし形式を決めて強制すると、収支日計表を作ることが目的になってしまう。そうすると形だけ整えるようになる。それじゃ本末転倒だ。収支日計表を作ることは手段に過ぎない。形だけ実行しても意味はない。だからマニュアルも作らない。決して強制はしない。

          『日本一を目指す物流会社のすごい勉強会』 p38より引用


 これだけの規模の企業なのに形式が統一されていないというのは意外でした。現場の人たちが自分たちでつくるなら、収支構造を本当に理解をしていないとできないでしょう。現場の人にとっては大変ですが、確実に力がつきます。

 物流の現場を知らないので、具体的な部分ではよく分からないところもありましたが、丁寧に教育をしていく体制は素晴らしいと思いました。

 みなさまもご参考になさってください。

  


 参考文献:『日本一を目指す物流会社のすごい勉強会』 大須賀正孝&同社社員勉強会 (日経BPマーケティング)
 

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