『日本の不動産は黄金期に突入する!』を読んで

2013年11月14日

 大谷洋司さんのご著書『日本の不動産は黄金期に突入する!』を拝読いたしました。

 大谷さんは1987年法政大学卒業後、コスモ証券、HSBC証券、シュローダー証券、クレディ・スイス証券勤務を経て、2010年、ドイツ証券に入社、マネージング・ディレクター兼、不動産(含むJ-REIT)・住宅・建設担当の株式アナリストとして活躍されています。

 この本は、アベノミクスの超金融緩和政策に後押しされた日本の不動産市場が大復活していくという著者の持論を展開したものです。

 最も印象に残ったことは、北陸新幹線が金沢まで延伸される効果についてです。(p113-p115を参照)

 そのヒントは日本の都市人口ベスト15の変遷にありました。

 明治9年(1876年)の都市人口のベスト15を北から並べると次のようになります。

 函館、仙台、東京、横浜、富山、金沢、名古屋、京都、大阪、和歌山、神戸、徳島、広島、熊本、鹿児島

 以上の15都市のうち、今でもベスト15に残っているのは次の8都市です。

 仙台、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島

 ランク外になってしまった7都市に代わって政令指定都市になったのは次の12都市です。
 
 札幌、さいたま、千葉、相模原、川崎、新潟、静岡、浜松、堺、岡山、北九州、福岡

 政令指定都市は札幌を除いてすべて新幹線でつながっています。新潟市が日本海側で唯一政令指定都市になったのも、上越新幹線が整備されて大勢の人で賑わい人口が増えたため、というわけです。
 大谷さんは、この理由と、日本海側のメタンハイドレードの産出可能性から、将来、富山市、金沢市が再び人口トップ15に入る可能性がある、と述べています。(p121)

 なんだか夢のある話ですね。北陸新幹線の沿線に住むものとしては興味深いです。新幹線の効果がそんなにあるのなら、わが町も発展する可能性があるというものです。

 この話を友人にしたてみたら、海上交通の盛んだったころと、いまとでは状況が違うのではないか?と指摘されました。

 Wikipediaで調べてみましたら、明治9年前後の日本の総人口は3400万人程度で、金沢市は10万人台、富山市は4万人台だったようです。(上田市はたったの6000人台です。)いまとは比べようのないくらい人がいなかったのです。その程度の水準から戦前戦後期などを経ての人口増加はあり得たわけですが、現在の水準から爆発的に人口が増加するのは難しいかも・・・・・・ですね。

 具体的な不動産の投資についても述べられています。
 自宅マンションを購入する際には次のことをチェックしたほうがよいそうです。

 それは、購入しようとしているマンションが「二重床・二重天井」になっているかどうかである。そうでない物件は、見送ったほうが良いということだ。二重床・二重天井になっていない物件は、その他の項目においても性能が劣っている可能性が高いからだ。もう1つ挙げると、サッシの性能である。最低でも「ペアガラス」を使ったサッシは必須だ。

           『日本の不動産は黄金期に突入する!』 p207より引用


 日本の不動産市場の将来について、大胆な構図が描かれていて、楽しく読めました。

 みなさまもどうぞご参考になさってください。  

  


 参考文献:『日本の不動産は黄金期に突入する!』 大谷洋司 (かんき出版)
 

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