小山昇さんのご著書『絶対に会社を潰さない社長の時間術』を拝読いたしました。
小山さんは1948年山梨県生まれ、国内で初めて日本経営品質賞を二度受賞(2000年、2010年)した株式会社武蔵野の経営者として大変有名な方です。その経験をもとに、現在500社以上の会員企業の指導を手がけ、年間240回の講演、セミナーを行っているそうです。
この本は、小山さんの行動をもとに社長がとるべき時間の使い方を伝授してくれるものですが、いやー、小山さんの行動は徹底していますね!すごいです。
株式会社武蔵野の「経営サポート事業部」の人気メニューに「小山昇のカバン持ち」(一日30万円)というのがあって、高いお金を払ってまで小山さんについて回るわけですが、1年3カ月先まで予約でいっぱいなのだそうです。(p37)
小山さんの行動を知りたいという熱心な経営者がたくさんおられるのです。
この本で特に私が感銘を受けたことは、社長にとっては素早い決断が生命線である(p44)ということです。悩んでいるのは時間の無駄だそうです。
悩んでも悩まなくても、結論は変わらないことが多いです。それなら一日で決断したほうがいい。なかには一日どころか一瞬で決めてしまっても、何の問題もない案件も多いです。
『絶対に会社を潰さない 社長の時間術』 p44より引用
早く決断するコツは二つあるそうです。
一つは「損をしてもいい」と腹をくくること、もう一つは「間違ってもいい」と肩の力を抜くことだそうです。(p44-45)
そうやって、ある意味、吹っ切っていくことも必要ですね。
早く決断することは、早く失敗することです。
早くに失敗しておけば、それだけ経験として豊かになる。つまり早い時点での失敗は、時間の先取りです。人間はなぜ失敗するのか、それは成長するためです。
『絶対に会社を潰さない 社長の時間術』 p46より引用
小山さんは「素早く行動に移せるか」という観点で部下を見ているそうです。
私の感覚としても、行動が早い人はとても助かります。逆に遅い人は、ぐずぐずして何もできないまま、人に仕事をとられてしまいます。
私も行動の早い部下に感謝し、もっと見てあげよう、と思いました。
小山さんは社員との時間も大切にされています。
お父さんの仕事の状態によって、その子供たちの将来は大きく変わるでしょう。
つまりそれはお父さんの仕事の中に、家族の人生があるからです。
ということは、仕事とプライベートを完全に切り離すことなどできないということにほかならない。
会社の人とも、私的なところをある程度、共有しないと、会社はうまくいきません。職場の人間関係が、まったく事務的な冷たい関係でいるのは間違いなのです。
『絶対に会社を潰さない 社長の時間術』 p184より引用
働いている人同士のコミュニケーションがない企業はうまくいかなくなる、と小山さんはいいます。
社内の人たちが人間と人間として付き合っているのかどうかは、会社をよくしていくための元になります。私の周りにもいろいろな人生がありますが、会社はそれぞれの人生の一端を担う責任があります。
縁あってここに集まった人同士が温かい目で見つめ合える場をつくらなくてはいけないと思います。
小山さんの時間術、行動術があまりにすごいので、初めて読む方はびっくりされるでしょうね。
どうぞご参考になさってください。

参考ブログ:『社長!儲けたいなら数字はココを見なくっちゃ!』を読んで
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e874032.html
参考文献:『絶対に会社を潰さない社長の時間術』 小山昇 (プレジデント社)
Hitoshi Yonezu at 10:00
| 読書感想 経営書