コストとは

2013年10月28日

 ドラッカーの『創造する経営者』第5章より引用します。

 実のところ、コストの定義は、消費者の購買行動さえ超えたものでなければならない。誰も、単に物を買っているのではない。満足と効用を買っている。したがって経済上のコストは、消費者が購入したものから満足と効用を引き出すために必要とする管理、修理、利用に関わるすべてのコストを含む。

          『創造する経営者』 p89より引用


 お客さまは、購入したものに対して将来かかってくるであろう費用までを考えてすべてを含んで、お金を払ってくださっているのです。

 製品やサービスに関わるコストは最終的にはすべてお客さまが負担してくださっています。

 その結果として、ものの値段がついているとも考えられます。

 企業では、商品の原価に自分で決めた一定の比率をのせて小売価格を決める(マークアップ)ようなことが行われていますが、これはまったく企業側の論理であって、お客さまには何の関係もないことです。

 企業は売っているものの価値に対して、お客さまが喜んで負担してくださるであろう金額を考えて、ものの値段を設定せねばならないのです。

 そこに原価は関係ありません。

 この商品、サービスが、いかに利益を出してくれるのかを考えるのではありません。

 いかにお客さまにとって有用で価値があるか、どれだけ社会に必要とされるか、を考えねばならないのです。

 コストとは単なる原価のことではないのです。

 お客さまの考えるコストから、ものの値段が設定されることに気がつきます。

  


 参考文献:『創造する経営者』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
 

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