目標管理とは

2013年10月16日

 上田市では昨日から雨が続き、時折音がするような強い風が吹いています。みなさまの地域ではいかがでしょうか。お気を付け下さい。
 
 ドラッカーの『ポスト資本主義社会』第5章より引用します。

 知識を基盤とする組織においては、あらゆる者が自らの目標、貢献、行動について責任を負う。ということは、組織に働く者はすべて、自らの目標と貢献について徹底的に考え、責任を負わなければならないということである。こうして組織には、部下など存在せず、同僚が存在するだけとなる。したがってあらゆる者が、成果から目標へのフィードバックによって、自らの仕事をマネジメントすることができなければならない。

      P.F.ドラッカー 『ポスト資本主義社会』 第5章 p139より引用


 知識を基盤とする組織というのは、なにも研究や開発など難しい仕事をしている組織のことだけを指すのではありません。

 例えば飲食店のホールにおいても、それぞれの人が好きなように行動しているのではなくて、お客さまに喜んで頂けるように、あるいは効率よく動けるように、何らかのきまりによって仕事をしているはずです。そこに所属する者が過去の経験をもとにしてそのような決まりをつくってきたとしたら、それは仕事に知識を使っていることになります。
 そういう意味では、いまや仕事に知識を応用しない組織などないといってもよいでしょう。

 目標管理というと、上司から指示された数字を目標に掲げてそれを達成したか否かを問うようなイメージがありますが、そのような方法をとってしまった日本の企業がことごとく失敗をしたのは有名な話です。
 
 ご紹介した文章で分かるように、ドラッカーのいう目標管理とは、数字が出来たか?出来なかったか?ではないのです。

 自分が組織にどう貢献するかを自分で考え目標にして、その目標達成に自分で責任をもつのが、知識を基盤にする組織における目標管理です。
 
 世の中のほとんどの仕事に知識が応用されるようになったいま、仕事が上から降ってくるものだと思って、ただ指示を待っているだけの社員は求められていません。
 組織に所属するすべての者が自ら考え行動し、自らをマネジメントすることが求められているのです。

  


 参考文献:
 『ポスト資本主義社会』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | ドラッカー

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