いま話題のテレビドラマ『半沢直樹』では、自分の利益になることばかりを考える強烈な上司が出ているそうですね。
参考ブログ:半沢直樹『オレたちバブル入行組』を読んで
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e1321128.html
小倉昌男さんの『小倉昌男の人生と経営』より引用いたします。
仕事はそれなりにできていても、人格的に問題がある場合は、昇進が見送られることもある。たとえば、上司にはペコペコするくせに部下には横柄だったり、自分一人で点数を稼ごうとしたり、責任逃れをしたり、会社の経費や誰かのおごりでタダ酒を飲みたがっていたりする人などに、重要なポストは与えられない。
『小倉昌男の人生と経営』 p141より引用
実際にありうることなんでしょうね・・・・・・
ただ、こういう人は続かないのも事実です。
他人には分からないようにうまく行動しているつもりでも、隠しおおせるものではありません。長い期間を経ると、性格や仕事の方法などほとんどのことは分かってしまいます。
P.F.ドラッカーはリーダーについて次のように述べています。
リーダーをリーダーたらしめるものは肩書ではない。範となることによってである。そして最高の範となることが、ミッションへの貢献を通じて自らを大きな存在にし、自らを尊敬できる存在にすることである。
『非営利組織の経営』 p211より引用
管理者でとどまるのか、経営者となるのか、大きな壁があると思います。
自らを範とできないのであれば、管理者までがせいぜいです。
範となるということは「がちがちにかたくてまじめ」ということではなくて、豪快な人でも小心者でも神経質な人でも、人格的に尊敬されているかどうかだと思います。
尊敬されなければ、最終的には人が離れてしまうか、あるいは本人が自滅してしまうか、どちらかになってしまうでしょう。
マネジメントはスマートでドライなイメージですが、それだけでよいのなら、机の上で勉強さえすればよいということになります。
「事実(現場)は小説より奇なり」です。
最終的には人間性が求められる、と思います。

参考文献:
『小倉昌男の人生と経営』 小倉昌男 (PHP研究所)
『非営利組織の経営』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
Hitoshi Yonezu at 10:00
| 読書感想 経営書 | ドラッカー