昨日のブログ「非顧客の重要性 1」の続きです。
ドラッカーは「あらゆる技術があらゆる産業に重要で、かかわりあいがある。またいかなる財もサービスも使い道は一つではなく、互いに縛られることもない」と述べています。
このことは何を意味するのでしょうか。昨日に続き、二つ目の説明です。
第二に、もはや自らの製品やサービスを中心においてはならないということである。自らの製品やサービスの市場、あるいは使い道さえ中心においてはならない。中心とすべきは、顧客にとっての価値である。すでに無数の例が教えているように、顧客は供給者が提供するものを決して買わないということを前提としなければならない。顧客にとっての価値は、供給者にとっての価値や質とは違うものである。
P.F.ドラッカー 『明日を支配するもの』 p32より引用
わぁー、\(^o^)/ !!! ドラッカーっぽいところですね!!!
顧客は供給者(例えば企業)が提供するものを決して買わない、というのです。
お客さんは、洋服でも、おにぎりでも、車でも、企業が売っているものを買っているじゃないか、って?
なぞなぞみたいですね。
顧客が買っているものは供給者が売っているものとは違うものなのです。
では、いったい顧客は何を買っているのでしょうか?
顧客が感じた価値を買っているのです。それは企業が売ろうとして考えた価値とは違うものです。(このことについて具体的な例を私はたくさん知っていますが、企業の大切な情報だと思うのでここでは控えておきます。)
企業が「自分が売っているものは、商品やサービスだ」と考えている限り、本当の顧客には永遠に出会えない、ということになるのです。
企業は顧客にとっての価値をつくらねばならないのです。

参考文献:
『明日を支配するもの』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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