小玉歩さんのご著書『3年で7億稼いだ僕がメールを返信しない理由』を拝読いたしました。
小玉さんは1981年生まれ、2003年新潟大学卒業後、キャノンマーケティングジャパン株式会社に入社されました。就職後、趣味で活動していたストリートライブが音楽関係者の目に留まり、会社員のままメジャーデビューされたそうです。社内では優秀写真として表彰されましたが、副業の収入が1億円を超えたことが会社にばれて、2011年に解雇されたそうです。現在はFrontline Marketing Japan株式会社の代表取締役を務めておられます。
帯には「人間関係は増やさず、むしろ切り捨てる。それだけで、人生が劇的に変化する!」と書いてあります。
なんとなく内容が想像できる感じがしましたが、好奇心が私をくすぐったので、購入して読んでしまいました。
第1章には「人生を奪う不要な人間関係を切る19のリスト」が紹介されています。
01 「いい人」になるな
02 空気は、あえて読まない
03 陰口はむしろ喜べ
04 急な「頼まれ仕事」は断る
05 早朝出勤、残業はやめろ
06 退社するときには挨拶しない
07 会社から一歩出たら、仕事のことは忘れろ
08 愛想笑いとヨイショはするな
09 好きな人と行く以外、お酒の席は意味がない
10 部署単位でランチにいくな
11 メールの返信はしない
12 転勤命令はなるべく断れ
13 交流会・パーティーにはいくな
14 知り合いを増やすな
15 いらない関係は金を払ってでも切れ
16 つきあいの結婚披露宴は欠席で
17 「会社員」という枠に縛られるな
18 進んで和を乱す人間になれ
19 行き当たりバッタリの生き方をしろ
こんな感じですので、おおよその内容の予想はつくかと思います。
同じようなことがいろいろな角度から書かれれています。こんなことを長々と書くことでもないだろうにと思うと、読んでいるうちに疲労感を覚えました。
経歴を拝見すると、組織に所属するよりも、飛び出るべく飛び出た方だと思いますが、組織の全員がこの考え方では組織が崩壊しますし、独立して企業の社長として活躍するとしても、この態度ではいかがなものかと思います。
私は社内の社交辞令的なことは嫌いで、社員にお酌もさせませんし、年賀状も送らせませんが、それでもこの本とはまったく逆の考え方です。
若い人が人生訓のようなことを書いて、どういう意味があるのかと考えてしまいます。こういうことを書けることが一つの強みなのでしょうか。そこにすがすがしさはあります。
読まれる方は本当に良いと思ったことだけを参考にしてください。あおられないようにした方がいいと思います。

参考文献:『3年で7億稼いだ僕がメールを返信しない理由』 小玉歩 (幻冬舎)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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