暑中お見舞い申し上げます。
みなさまいかがお過ごしでございましょうか。日頃は大変お世話になっております。誠にありがとうございます。
先月、おかげをもちまして恒例の経営計画発表会を開催することができました。全社員とスタッフ(PAのみなさん)を集め、関係の深いみなさまもお招きしました。
小さな組織ではありますが、壇上から全社員とスタッフたちの生き生きとした顔を見わたすとそれぞれの成長ぶりが浮かんできて、これからいろいろなことに挑戦できるなあ、と大きな可能性を感じ、大変うれしくなりました。
京セラ創業者の稲盛和夫さんは「全従業員の物心両面の幸福を追求する」ということを経営理念の筆頭に掲げておられます。
そのご著書『ゼロからの挑戦』のなかに次のような記述があります。
社外からは、京セラの急成長、高収益体質は、技術開発によるものと考えられているようだ。もちろんそれもあるが、振り返るなら、京セラの一番の強みは、心の通じ合える仲間の固い絆をよりどころとして創業し、その後も社員同士のパートナーシップを企業経営の基盤に据えてきたことだと思う。そのため、強固な人間関係を社内に構築することができ、個々の人が持つポテンシャル以上の成果を、集団として発揮できたのである。
『ゼロからの挑戦』 p40より引用
私には製造業の経営は分かりませんが、稲盛さんご自身が技術畑のご出身であり、技術のことに厳しく言及されていることはよく存じておりました。
その稲盛さんがいちばんの強みとして「心の通じ合える仲間の固い絆」や「社員同士のパートナーシップ」を挙げておられるのです。
アメーバ経営という独自の経営の手法を採用している京セラでは、高い実績を上げたとしても、各アメーバに対して特別なボーナスや報奨金が出ることはなく、精神的名誉が与えられるだけです。金品で人の心を操ることができるのは一時のことだと稲盛さんは述べておられます。
信じ合う仲間から称賛と感謝が得られるということが、最高の報奨なのであり、そのような人間の本質に基づいた考え方が、社員に自然に受け入れられるようになるためにも、前述した経営理念や京セラフィロソフィが必要不可欠なものになるのである。
『ゼロからの挑戦』 p95より引用
今年の経営計画発表会では、基本に戻って経営理念とそこから導かれる価値観と行動について社員に改めて理解してもらいました。
考え方が間違っていては、もてる能力もよい方向に発揮できません。みなさまのお役に立てるように、社員を厳しく育てまいります。
私は来期の発表会に向かって、この一年間に各地の勉強会や書物から学んだことを実践していきます。
今月もご指導ご鞭撻のほど、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
末筆となりますが、みなさまのご多幸を心よりお祈りいたします。ありがとうございます。

参考文献:『新版・敬天愛人 ゼロからの挑戦』 稲盛和夫 (PHPビジネス新書)
Hitoshi Yonezu at 10:00
| ささやタイムズ記事