6月4日、6日、7日の三回にわたって、ドラッカーの指摘する中小企業の問題点をご紹介しました。
初めの二つの問題は特に大きな問題だと感じました。
ドラッカーはこれらの問題に対する唯一の解決策として「合併あるいは買収によって事業を拡大すること」を示しています。
事業拡大ができない場合はどうしたらいいのでしょうか。ドラッカーはその場合、中小企業にできることとして二つの策を提示しています。
P.F.ドラッカーの『現代の経営[下]』より引用いたします。
第一に、マネジメントの視野を広げるために、気に入らないかもしれないが外部の視点を導入することである(私が小企業において外部取締役会の必要性を説く主な理由がこれである)。
第二に、同族企業においては、一族の者に、実力に基づかずに仕事を与えてはならないことを鉄則とすることである。
『現代の経営(下)』 p68より引用
うちの会社には外部の取締役はまだおりませんが、ドラッカーは60年近く前に指摘していたことでした。
取締役は成果で判断されますから、中小企業にも外部の取締役が普及するようになると、任用、退任が頻繁に行われるかもしれません。地位を確保したらずっとそのままということはなくなるだろうと思います。

参考文献:
『現代の経営[上]』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
『現代の経営[下]』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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