P.F.ドラッカーの『現代の経営[下]』より引用いたします。
特に中企業は、一流の経営管理者が魅力を感じるには小さすぎる。一流の人に対し、大企業の低い地位ほどの報酬さえ払えない。かといって、質量ともに必要なだけの経営管理者を自ら育成することは容易ではない。
そして何にもまして、大企業と異なり、経営管理者の地位にあるものに対し、十分な挑戦の機会と仕事の大きさを与えられない。したがって中企業に固有の問題は、経営管理者に対する要求と経営管理者の能力のギャップである。それはほとんどの場合、中企業であるかぎり埋めることの難しいギャップである。
『現代の経営(下)』 p67より引用
これは耳が痛いです。
が、厳然たる事実だと思います。
平成21年の調査によれば、我が国の全企業数に対する中小企業数(中小企業数+個人事業者数)の割合は、99.7%を占めています。
日本においては企業のほとんどが中小企業と言えるわけですが、その多くの経営者が人材について悩んでいます。
引用したドラッカーの文章が本当のところなのです。このような本音は隠されています。
この問題を解決するためには、事業を拡大することだ、とドラッカーは述べています。
事業を拡大するかどうかは、経営者の判断です。
よい人材を採用できるかどうかは、充分に活躍できる規模があるかどうか、もしくは人材にとって企業が成長すると思えるかどうかであって、その責任は経営者にあります。
うまくいかない理由を政府の政策や、経済、社会の状況に求めるのはお門違いというものです。

参考文献:
『現代の経営[上]』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
『現代の経営[下]』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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