『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』を読んで

2013年04月10日

 橘玲さんのご著書『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』を拝読いたしました。

 橘玲さんは経済小説や投資術などたくさんの本を書かれているベストセラー作家です。

 我が国は、アベノミクスと呼ばれる新しい経済・金融政策の発表によって、株高と円安が進行しています。ただ、その後の長期的な経済の行方についてはさまざまな考え方があります。

 橘さんは将来について三つの可能性を示しています。

 ①楽観シナリオ アベノミクスが成功して高度経済成長がふたたび始まる
 ②金融緩和は意味がなく、円高によるデフレ不況がこれからも続く
 ③国債価格の暴落(金利の急騰)と高インフレで財政は破綻し、大規模な金融危機が起きて日本経済は大混乱に陥る


 もしも③のシナリオに進んでしまった場合には次のような段階を踏んでいくだろうといいます。

 第1ステージ 国債価格が下落して金利が上昇する
 第2ステージ 円安とインフレが進行し、国家債務の膨張が止まらなくなる
 最終ステージ (国家破産)日本政府が国債のデフォルトを宣告し、IMFの管理下に入る


 この本は、このような状態になってしまった場合に、どうすれば資産を守ることができるかを具体的に教えてくれる本です。

 もしも、上記の第2ステージに入ってしまった場合には、国債ベアファンド、外貨預金、物価連動国債ファンドの三つの金融商品で財政破綻に備えよ、というのが一つの結論です。

 その他、株価の急で大きな変動に対しての対策なども紹介されています。(当然ですが、経済には強い継続性(粘性)がありますから、いまから半年後にデフォルトするなどという急なことはないそうです。)

 どの方法にもリスクがあり、メリットもデメリットもあります。少し勉強をしないと実際の投資は難しいかもしれませんね。

 私は昔金融機関に勤めていたことがあり、こういう本は興味深く読んでいます。

 最近のキプロスの預金封鎖のニュースを聞くと、EUにおいて予想されていたことが実際に起こってしまって、ドラッカー的にいうと「すでにおこった未来」だったのだ、という感をぬぐえません。

 我が国の先行きについてはよい方向に向かうことに期待を寄せています。 

  


 参考文献:『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』 橘玲 (ダイヤモンド社)
 

 参考ブログ:『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』を読んで
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e877932.html

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