組織は道具である

2013年03月22日

 本棚を調べてみたら、いままできちんと読んだドラッカーの著書は『経営者の条件』『明日を支配するもの』『プロフェッショナルの条件』『現代の経営(上)(下)』『非営利組織の経営』『マネジメント(エッセンシャル版)』『ポスト資本主義社会』の8冊でした。

 これしか読んでいない私がいろいろ言える資格はないかもしれませんが、あくまで個人的な感想として、この中でもっともおもしろく、吸い込まれるように読めたのは『ポスト資本主義社会』の「第Ⅰ部 社会」(第1章~第5章)でした。

 この部分を読み始めたら他の本で読んだことが生き生きとよみがえりつながってきて興奮しました。ワクワクしたので立ったまま読み切りました。(私は立ったまま読んだ方がリズムよくすいすい読めることがあります。)

 「ブランデーを飲みながらドラッカーを読むのが至福の時間だ」と言い切る強者の友人がおりますが、少し理解できる気がしてまいりました。
 まだ読んでいないドラッカーの何十冊の本の中にもっとすごいものがあるかもしれませんね。ぜひ出会いたいです。

 ドラッカーの『ポスト資本主義社会』第2章より引用します。

 組織は道具である。他のあらゆる道具と同じように、組織もまた専門化することによって、自らの目的遂行能力を高める。しかも、組織は限定された知識をもつ専門家によって構成される。したがって、目的すなわち使命が明確であることが必要である。組織は一つの使命しかもってはならない。

      P.F.ドラッカー 『ポスト資本主義社会』 第2章 p72より引用


 組織は成果をあげるための道具であるわけです。

 ところが、うちの会社でもほとんどの従業員は組織を道具だとは思っておらず、組織に使われていると思っています。

 なぜそう思ってしまうかといえば、組織に貢献できる専門家になりきれていないからです。自分の知識、経験、能力をもって組織に貢献するぞ、という信念と実行力がまだまだ弱いのです。うちの社員たちには、組織を道具として使うぞ、というくらいの立場になってほしいと思います。

 一方、経営者は明確な一つの使命をもって組織を統率せねばなりません。それがなければ組織は崩壊します。

 経営者に課せられた仕事です。

  


 参考文献:
 『ポスト資本主義社会』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | ドラッカー

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