ドラッカーの『経営者の条件』の第4章の「自らの成果をあげる」より引用します。
自らの仕事においても、まず強みからスタートしなければならない。すなわち自らのできることの生産性をあげなければならない。
P.F.ドラッカー 『経営者の条件』 第4章p130より引用
ドラッカーは、まずは強みからスタートせよと述べています。では、もしも強みでない仕事を任命された場合はどうしたらいいのでしょうか。
それを避けていい、とは言っていないのです。
彼らは、上司がさせてくれないことや、企業の方針がさせてくれないことや、政府がさせてくれないことについて気にしすぎる。その結果、彼らは、させてもらえないことについてこぼすことによって、自らの時間と強みを無駄にしている。
P.F.ドラッカー 『経営者の条件』 第4章p131より引用
さらにこう述べています。
「何もさせてくれない」という言葉は、惰性のままに動くための言い訳ではないかと疑わなければならない。もちろん、誰もが何らかの厳しい制約の中にいる。しかし、たとえ実際に何らかの制約があったとしても、することのできる適切かつ意味のあることはあるはずである。
成果をあげるエグゼクティブはそれらのものを探す。
P.F.ドラッカー 『経営者の条件』 第4章p131-132より引用
自分の強みでないから、自分のやりたいことでないから、とこぼしてすねているのは、まだ自分の仕事をよく見つめていないからである、と言えます。
その結果、(悪い意味での)ジョブホッピングをして、仕事の強みを形成できなくなってしまう人もいます。
ドラッカーを言い訳のために使うのは全くおかしな話です。
まずは目の前の仕事に真剣に取り組んで、その中で自分の強みが生かせる仕事を探すことが求められます。

参考文献:
『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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