人は組織のために生まれたのではない

2012年12月20日

 ドラッカーの『経営者の条件』第2章より引用します。

 人事の決定が時間をとるのは、神は、人を組織のための資源として創造したわけではないという単純な理由による。人は、組織においてなすべき仕事に適した大きさや形では現れてくれない。仕事に適するように組み立て直したり鋳直したりすることはできない。
 人は常に、仕事に関してせいぜい及第点であるにすぎない。したがって、ほかに代えるべき資源が存在せず、人を使って仕事をせざるをえないときには、多くの時間と思索と判断が必要となる。

         P.F.ドラッカー『経営者の条件』 第2章p55より引用


 人材が限られている中小企業においては、いま働いている人の能力や特徴に合うような仕事を選んであげてしまいがちですが、仕事を人に合わせるというのは全くおかしな考え方です。

 まずは企業が求める仕事の水準や基準があるべきで、それに人が合わせていく、あるいは、人の能力で達成させていくのです。できないのならば、仕事の水準を落とすのではなく、人が能力をアップさせなければなりません。

 適材適所ではなく、適所適材というわけです。

 とはいっても、ドラッカーは神まで引き合いに出していますが、人はそう簡単には変わってくれません。

 だからこそ人事の問題には大変な時間とコストがかかるわけです。
 
  


 参考文献:
 『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
 

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