ドラッカーの『経営者の条件』第1章より引用します。
私は、地位やその知識のゆえに、日常業務において、組織全体の活動や業績に対して、重要な影響をもつ意思決定を行う経営管理者や専門家などの知識労働者をエグゼクティブと名付けた。
P.F.ドラッカー『経営者の条件』p26より引用
今日あらゆる階層において、意思決定を行う者は、企業の社長や政府機関の長と同じ種類の仕事をしている。権限の範囲は限られている。組織図や電話帳に地位やは名前は載っていないかもしれない。しかし、彼らはエグゼクティブである。そしてトップであろうと新人であろうと、エグゼクティブなる者はすべて成果をあげなければならない。
P.F.ドラッカー『経営者の条件』p27より引用
ドラッカーの『経営者の条件』の原題は "The Effective Exective" といいます。
エグゼクティブというと、一般的には、管理職、行政官、支配人などのことを意味します。
それぞれの人の毎日の仕事のあらゆる場面において、責任の範囲は小さいとしても、意思決定は頻繁に行われています。
そこでどんな意思決定を行っているか?です。
決められたことを漫然とこなすための意思決定なのか、逆に、たとえ単純な作業であっても次の仕事への接続や効率を上げる方法を考えながら判断をしているか、考え方や行動によって、成果はだいぶ違ってくるでしょう。
同じようにみえる仕事をしていても、仕上がりや環境の整理など、細かいところで違いが出てきますし、それらが積み重なると、大きな違いとなります。
仕事に責任をもって、意思決定を行う者は知識労働者となりえますし、エグゼクティブであるとドラッカーはいうわけです。
社員たちには管理職であろうとなかろうと、知識労働者、エグゼクティブとなりえるような意思決定をしてほしいと思います。

参考文献:
『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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