ドラッカーの『経営者の条件』のまえがきより引用します。
普通のマネジメントの本は、人をマネジメントする方法について書いている。しかし本書は、成果をあげるために自らをマネジメントする方法について書いた。ほかの人間をマネジメントできるなどということは証明されていない。しかし、自らをマネジメントすることは常に可能である。
そもそも自らをマネジメントできない者が、部下や同僚をマネジメントできるはずがない。マネジメントとは、模範となることによって行うものである。自らの仕事で業績をあげられない者は、悪しき手本となるだけである。
P.F.ドラッカー『経営者の条件』まえがきpⅲより引用
引用の文章で分かりますように、ドラッカーの『経営者の条件』は、自らをマネジメントすること、すなわちセルフマネジメントについて書かれている本です。
われわれは自分のことを省みることもせず、他人をなんとかマネジメントしようともがいています。その前に自分のマネジメントができていないのです。
この本の原書"The Effective Executive"は1964年に発行されています。ドラッカーにとってはそんなことはもう50年近く前に分かっていたことだったのです。
私は数年前にある先生からドラッカーの読み方を教えていただき、『もしドラ』がブームになった2010年ころからドラッカーを読み始め、今年からは読書会に参加してしっかり読み始めました。
ドラッカーを読み始めていちばん感じるのは、ドラッカーの本は実行しなくては読む意味がない、ということです。
読書会に参加しても、自分でできていないことは、語れなくなってきてしまいました。
『経営者の条件』を読むことがセルフマネジメントを要求しています。

参考文献:
『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
Hitoshi Yonezu at 10:00
| ドラッカー